協和キリン富士フイルムバイオロジクスヒト型抗TNF-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」バイオシミラー第3相国際共同試験の主要評価項目を達成

協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社(社長:野村英昭、以下「協和キリン富士フイルムバイオロジクス」)は、現在開発中のヒト型抗TNF(腫瘍壊死因子)-α※1モノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」バイオシミラー(開発番号:FKB327、先発薬:「ヒュミラ®」)が、第3相国際共同試験において主要な評価項目を達成しましたので、お知らせします。

本試験は、協和キリン富士フイルムバイオロジクスが米国、欧州などで中等度から重度の関節リウマチ※2を対象として、本剤の有効性及び安全性をヒュミラ®と二重盲検で比較したもので、2014年12月に開始しました。

本試験の主要評価項目である投与24週後のACR20反応率※3において、本剤のヒュミラ®に対する同等性が確認されました。また有害事象についても、本剤とヒュミラ®の間で大きな違いは認められませんでした。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、2012年3月27日に、富士フイルム株式会社(社長:助野健児)と協和発酵キリン株式会社(社長:花井陳雄)が設立したバイオシミラーの開発・製造・販売会社です。現在、「FKB327」の他、英国AstraZeneca plc(CEO:パスカル・ソリオ)との合弁会社「Centus Biotherapeutics Ltd.」で大腸がんや非小細胞肺がんなどに高い治療効果を持つ抗VEGFヒト化モノクローナル抗体製剤「ベバシズマブ」バイオシミラー(開発番号:FKB238)の開発も進めています。尚、「FKB238」は、現在、第3相国際共同試験を実施中です。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、富士フイルムが長年写真フィルムなどの事業で培った高度な生産技術や品質管理技術、解析技術と、協和発酵キリンがバイオ医薬品の研究・開発・製造で蓄積してきた独自技術・ノウハウを融合させて、バイオシミラーの画期的な生産プロセスの創出やコスト低減を行っています。これにより、高信頼性・高品質でコスト競争力にも優れたバイオシミラーを開発・製造し、適切なタイミングで市場に導入することで、主導的ポジションの獲得を目指します。

  • ※1TNF(腫瘍壊死因子)-α:体内で情報伝達の役割を持つサイトカインの1種で、細胞接着分子の発現やアポトーシス(プログラミングされた細胞死)の誘導、抗体産生の促進により感染防御や抗腫瘍作用に関与するが、過剰に発現した場合は関節リウマチ、乾癬(かんせん)などの発症を招きます。
  • ※2関節リウマチ:炎症性自己免疫疾患の一つ。自己免疫が手足の関節を侵し、関節痛や関節の変形が生じ日常生活に支障をきたします。また関節以外にも全身の症状として、だるさなどが起きることもあります。
  • ※3ACR20反応率:米国リウマチ学会の基準に基づいた指標で、腫脹及び圧痛関節数に20%以上の改善がみられ、かつ患者による疼痛評価、患者による疾患活動性全般の評価、医師による疾患活動性全般の評価、患者による運動機能評価、急性反応物質(CRP値)の5項目のうち3項目で20%以上の改善が見られた被験者の割合を示します。
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