協和キリン富士フイルムバイオロジクス「アダリムマブ」の関節リウマチ、乾癬及び関節症性乾癬の用法用量に関する英国特許確認訴訟で勝訴

協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社(社長:野村英昭、以下「協和キリン富士フイルムバイオロジクス」)は、AbbVie Biotechnology Limited(以下「AbbVie社」)に対して提起していた「アダリムマブ」の特許確認訴訟において勝訴いたしましたのでお知らせいたします。

英国特許裁判所は、3月3日付で、「アダリムマブ」の関節リウマチ、乾癬(かんせん)及び関節症性乾癬の用法用量は公知又は自明であるため特許性がないとの判決を下しました。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、ヒト型抗TNF(腫瘍壊死因子)-α※1モノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」バイオシミラー(開発番号:FKB327、先発薬:ヒュミラ®)を開発しています。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、AbbVie社の上記用法用量の特許が、公知の技術に照らして無効であるとし、2015年10月29日に当該特許の無効・確認訴訟を英国特許裁判所で提起していました※2

訴訟の過程で、AbbVie社は訴訟対象の英国特許を取下げましたが、英国特許裁判所は上記用法用量が公知又は自明であるかどうかの判断をすべく確認訴訟を継続する判決を昨年12月に下し、今回の判決に至っています。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、2012年3月27日に、富士フイルム株式会社(社長:助野健児)と協和発酵キリン株式会社(社長:花井陳雄)が設立したバイオシミラーの開発・製造・販売会社です。FKB327においては、2016年10月に第3相国際共同試験において主要な評価項目を達成し、現在、製造販売承認申請に向けて準備しています。また、FKB327の他、英国AstraZeneca plcとの合弁会社「Centus Biotherapeutics Ltd.」で大腸がんや非小細胞肺がんなどに高い治療効果を持つ抗VEGFヒト化モノクローナル抗体製剤「ベバシズマブ」バイオシミラー(開発番号:FKB238)の開発も進めています。なお、FKB238は、現在、第3相国際共同試験を実施中です。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、富士フイルムが長年写真フィルムなどの事業で培った高度な生産技術や品質管理技術、解析技術と、協和発酵キリンがバイオ医薬品の研究・開発・製造で蓄積してきた独自技術・ノウハウを融合させて、バイオシミラーの画期的な生産プロセスの創出やコスト低減を行っています。これにより、高信頼性・高品質でコスト競争力にも優れたバイオシミラーを開発・製造し、適切なタイミングで市場に導入することで、主導的ポジションの獲得を目指します。

  • ※1TNF(腫瘍壊死因子)-α:体内で情報伝達の役割を持つサイトカインの1種で、細胞接着分子の発現やアポトーシス(プログラミングされた細胞死)の誘導、抗体産生の促進により感染防御や抗腫瘍作用に関与するが、過剰に発現した場合は関節リウマチ、乾癬などの発症を招きます。
  • ※22016年3月24日、他社より同様の訴訟が英国裁判所に提起され、裁判所の命令により協和キリン富士フイルムバイオロジクスの訴訟と併合されています。
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