暮らしの中の工夫
パーキンソン病は、病状の進行に伴い、体を動かしにくくなり、日常生活が不便になります。しかし、食事、着替え、洗面など日常生活の場面において、ちょっとした工夫をすることでずいぶん生活が楽になります。
また、動きにくいからといって動かないと、より運動機能が低下しますので、家庭で楽に体を動かせるように手すりの設置や家具類の配置を調整することも大切です。転倒防止のため、患者さんがよく歩く場所へ物を置かないようにします。パーキンソン病はずっと付き合う病気ですので、自分の症状に合わせてより生活しやすいように工夫することが勧められます。
身の回りの工夫
入浴の時
狭いところでは急に動きが悪くなる場合があります。お風呂やトイレに入る時は、近くの人が大丈夫かどうか声をかけて安全の確認をすることが大切です。また、安全のため、浴槽の環境整備は早めに行いましょう。
食事中
ステージが進むと、食べ物の飲み込みが悪くなりがちです。食事の姿勢に注意して、時間をかけても自分で食べられるようにすることが大切です。
食器
ステージが進むと、食べ物の飲み込みが悪くなりがちです。食器の使い方にも注意して、時間をかけても自分で食べられるようにすることが大切です。
調理
ステージが進むと、食べ物の飲み込みが悪くなりがちです。固いものは柔らかく煮たり、すりつぶしたり、液状のものはトロミをつけるなど食べやすいように調理法を工夫しましょう。市販の介護食の利用も良いでしょう。
更衣
着替えの動作はバランスを崩しやすいので、座って行うようにしましょう。
トイレ
トイレは洋式の方が立ち座りが簡単です。動作が緩慢な場合はなるべく早めにトイレに行って用意しておくようにしましょう。
寝具
敷き布団やマットレスは、固めのものを選びましょう。床ずれ予防のエアマット等を使用する場合は、安定性が得られにくいので注意が必要です。
監修:熊本機能病院 総合リハビリテーションセンター 山永 裕明先生・中西 亮二先生・野尻 晋一先生