特集 腎性貧血とは?
腎性貧血の治療
腎性貧血には、エリスロポエチンの分泌不足を補う注射薬(ESA)や、体内のエリスロポエチン産生を促す内服薬による治療が行われます。また、あわせて食事療法や、鉄剤*1の投与も行われます。
*1 本邦における鉄剤の効能又は効果は、鉄欠乏性貧血です
腎性貧血の治療目標
保存期慢性腎臓病(CKD)患者さんのESA治療におけるHb目標値は13g/dL以上を目指さないことが推奨されています。*2
また、目標Hbの下限値は10g/dLを目安として、個々の患者さんのQOL(生活の質)やその背景因子、病態に応じて判断することが提案されています。*2
*2 一般社団法人 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023 : 97, 東京医学社
腎性貧血治療の重要性
腎性貧血になると、疲れやすいなど日常生活が妨げられ、さらに貧血が強いほど末期腎不全になる割合が高いといわれています。
腎性貧血を治療することで、疲れやすい、動悸・息切れといった症状が改善するほか、心臓のはたらきも改善し、早い時期から貧血治療をすることによりCKDの進行を抑えることが期待できるなどの報告*3もあります。
*3 Gouva C,et al.:Kidney Int 66;753-760,2004