特設レポート
患者さんと専門医がともに考える-再生不良性貧血 診断と治療のこれから-
テーマ2
再生不良性貧血の『初回治療』について
テーマ2
再生不良性貧血の『初回治療』について
(治療開始時のコミュニケーション)
治療方針は「医師が決めるもの」ではなく、患者さんと医師が一緒に考え、ともに治療ゴールを目指していく
初回治療時において患者さんと医師が
重視する点
初回治療で最も重視されていたのは、医師も患者さんも、「血球の回復」、「症状の改善」、「輸血の離脱や減少」といった「治療効果」でした。
特に、輸血が必要な患者さんでは治療効果を重視する割合がより高い結果でした。一方で患者さんは、治療効果だけでなく、「治療薬による影響」、「生活への影響」も重視していることがわかりました。
アンケート調査結果
初回治療で重視すること(患者・医師)
引用文献:中尾眞二、小原直、博田慎吾. 血液内科. 2025;91(6): 666-678より改変
初回治療の選択・決定時の患者さんと
医師の関与について(患者・医師)
患者(N=102)
- 複数の治療法を提示された
- 複数の治療法を提示されなかった
- 覚えていない
医師(N=105)
- 患者さんに複数の治療法を提示し、患者さんと合意の上決定する
- 先生があらかじめ治療を決定し、患者さんに提示する
- 患者さんの理解に応じて、提示する治療法の数は異なり、その中で患者さんと合意の上決定する
- その他
% (n数)
引用文献:中尾眞二、小原直、博田慎吾. 血液内科. 2025;91(6): 666-678より改変
初回治療時の患者
-医師コミュニケーションの課題
博田患者さんは、副作用や通院、仕事への影響など、治療が実生活に及ぼすさまざまな不安を抱えています。一方、大学病院では診察時間が限られているため病気や治療の説明が中心になり、治療開始後の生活について相談しづらい状況があります。また、病気に関する知識が十分でないことで疑問を感じても質問しにくく、気後れしてしまうことがあります。
小原治療目標の考え方が血液内科医によって異なることが課題です。アンケート調査の結果では、患者さんは治療効果だけでなく、治療薬の影響や生活に及ぼす影響を重要視しています。患者さんと医師のコミュニケーションを通して、治療ゴールを共有しながら治療を進めることが、より良い治療や治療継続につながると考えています。
中尾血液内科医が忙しくしていることで患者さんが診察中に質問しづらくなっている現状があります。医師側が患者さんに話しかけやすい環境をつくる努力が必要です。さらに患者さんと医師が同じ目標に向かって治療を進められるよう、血液内科医の間で治療目標をある程度統一しておくことも重要と考えています。
患者さんと医師、ともに一定の
ゴールを目指せるように
- アンケート調査の結果から、初回治療に関して、医師側の回答では、治療効果を重視するとした割合が多く、一方、患者さん側の回答では、治療効果だけでなく、治療薬による影響、生活への影響などが重視されており、患者さんと医師間で乖離があることがわかりました。また、治療の決定に際して、SDMの実施は、医師側が44.8%、患者さん側が48.0%で双方ともに半数未満であり、患者さんと医師との間で治療に関するコミュニケーションが十分になされていないことが明らかになりました。
- 治療を始める際は、医師が患者さんとじっくり向き合う時間をとり、治療が長く続く可能性があること、そして患者さんの生活背景や希望をよく聞いたうえで、治療の効果とリスクのバランスを考えて、患者さんと一緒に治療の方針を決めていくのが理想です。患者さんと医師がコミュニケーションをとることによって、患者さんの治療に対するモチベーションが上がり、生活の質や治療向上が期待できます。
- 患者さん自身も診察をより有意義にするために、医師との面会の前に病気について学習し、聞きたいことや伝えたいことをメモに記しておくと、落ち着いて相談しやすくなります。


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