高崎品質ユニット品質管理部

薬学系研究科
2014年入社

現在の仕事内容は?

私は品質管理部の中でも、バイオ医薬品の分析を行っている部署に所属しています。担当しているバイオ医薬品の品管部の代表としては、承認申請や上市生産に向けた対応を取り仕切っています。承認申請にあたってはバリデーションや安定性試験をはじめとして非常に多くのデータを品質管理部で取得する必要がありますが、開発及び申請のスケジュールに遅滞がないように試験や文書化を進めます。また、承認前には米国はじめ様々な国の規制当局から査察を受けますが、我々の品質管理体制が問題ないことを査察官に対して説明します。開発、上市生産とも分析・品質関係での課題が発生した際は、研究所や本社、社外の製造販売業者と協力しながら速やかにその対応にあたります。

入社理由は?

私は薬学系研究科で、核磁気共鳴(NMR)法を用いたタンパク質の動的構造平衡(ダイナミクス)と機能に関する研究をしていました。タンパク質は生体中では決してリジッドなものではなく、複数の構造の動的平衡状態にあり、その状態間を遷移することで複雑な機能を発揮しています。シグナル伝達タンパク質を対象に学部から修士課程にかけて研究を行い、博士課程ではよりチャレンジングな膜タンパク質であるイオンチャネルを用いて、外部の研究室と共同研究を行いました。自分の研究テーマに必要になり、短期ですがタンパク質ライゲーションに関する研究を海外のラボで行ったこともあります。 私はバイオ生産技術研究所での入社でしたが、学生時代に、自分で目的のタンパク質を培養・精製し、物性や活性の評価をした上でNMR法による解析を行っていましたので、その培ってきた経験でバイオ医薬品の物性解析や品質評価で貢献できると思ったことが第一にあります。そして何より医薬品メーカーの一員としてものづくりに関わり、人々の役に立つ仕事をしたいと考えていたので、バイオ医薬品で世界に打って出ようとしていた協和キリンへの入社を決意しました。

技術系総合職の仕事のやりがいや面白さは?

医薬品の製造や品質管理はただ決められたことをこなすだけと思われてしまうこともありますが、全く違います。品目が違えば分析方法も最適化が必要で、管理する不純物によっては全く新しい分析法を維持管理しなければなりません。特に欧米での厳しい医薬品の規格を満たすために、分析法は厳密にコントロールされなければなりません。新しいプラットフォームやモダリティへの分析法の適用、厳しくなるレギュレーションへのキャッチアップ等、日々チャレンジの連続です。一方で開発の競争も激しく、スケジュール通りに進めることが大変な時もありますが、様々な国で承認を取得したり、その国で実際に薬が販売されたり、患者さんからの喜びの声を聴く瞬間こそ、自分が役に立てたことを実感できる瞬間です。

目下取り組んでいる挑戦は?

私が担当している品目は製造販売業者が海外の会社となっているため、その海外の会社の要求を満足させることに日々苦慮しています。欧米と日本では医薬品業界においても文化が異なります。どれだけ優秀な検査員が試験をして、問題のある製剤を出荷しないように努力していると主張しても、それが手順として明記され、記録が根拠として存在しないと、やっていないことと同義とみなされます。欧米では特にその傾向が顕著で、我々の品質管理のやり方を説明するのに苦労することも多いです。今後はさらに様々な国や相手先への展開も見越して、今積んでいる経験を糧に、よりグローバルな要求を満たす品質管理体制に近づけることを目指しています。

目指すキャリアは?

私は2019年に現在の部署に異動し、初めてGMP業務を行うことになりました。当初は研究所を離れてルーチン業務のイメージを持っていた工場部門に異動することに一抹の寂しさも感じていましたが、異動してみればグローバルへの対応の中で日々新しいことへの挑戦が続く、刺激の多い仕事でした。今後もGMPの知識や経験は地道に積み上げていきたいですし、言語はおろかマインドが全く異なる海外の会社や規制当局から学びながら多くのことを吸収し、グローバルでも対等以上に渡り合っていくことが、今後私が目指していきたい姿です。

技術系総合職の社員たち

※社員の部署・役職は取材当時のものです。