健康経営の取り組み

健康経営推進方針トップメッセージ

代表取締役会長CEO
宮本 昌志
代表取締役社長COO
アブドゥル・マリック

協和キリンの健康経営は、従業員が主体的に自身の健康維持・増進に取り組む環境を作ることを目指しています。
病気と戦う人々に笑顔を届けるためには、私たち従業員自身も笑顔でいることが大切です。心身ともに健康で活気の満ちたチームは、私たちが2030年に向けたビジョンで掲げる「Life-changingな価値の継続的な創出」を実現する基盤となります。
従業員に対して健康の動機づけやプログラムの支援を行うことに加えて、協和キリンでは「仲間を思いやる」、「仲間の心を動かす」精神を醸成しています。これらを実践することによって、私たちは「ビジョンを共有したスーパーチーム」として世界中の人々の健康と豊かさに貢献してまいります。

協和キリングループ健康宣言

協和キリングループは、従業員の生涯を通じたQuality of Life(生活の質)の向上を図るため、協和キリングループ健康宣言を行います。

健康づくりに各自が主体的に努力することに加えて、当社グループとして、予防的視点からより高い次元の健康を目指して積極的に健康づくりに取り組みます。

従業員一人ひとりの健康づくり行動を促進する「動機付け」と、健康づくり行動を実践していくための「継続支援」の施策を推進していきます。

方針・戦略

2015年5月に経営トップによる健康宣言を発信し、トップ主導の下、会社と健康保険組合の協働(コラボヘルス)による「協和キリングループ Wellness Action 2020」を開始。現在は「協和キリングループ Wellness Action 2025」に取り組んでいます。

協和キリングループの従業員が、ビジョン実現に向かって、自分事としてワクワク感を持ってWellness Action(行動変容)に取り組むことにより、自らの健康リスクの低減や豊かな人生の実現に加え、会社、社会に貢献していきます。

ガバナンス

代表取締役・CPOを健康経営推進の責任者とし、その指揮・命令の下、人事部長と人事部健康チーム(統括産業医、医療職等)が、健康経営およびWellness Actionの事務局として具体的な活動を推進しています。その活動は健康保健組合と協働で進められています。また、各事業場にはコラボヘルス推進委員がおり、活動の運営主体となっています。コラボヘルス推進委員は、産業医、保健師、労使による衛生委員会と連携し、各拠点の特性に合った施策の実施に努めています。
これら取り組みの進捗状況は、経営幹部が出席する各種会議やグループCSR委員会にて、議論・モニタリングが行われています。

指標および目標

日本 協和キリングループ Wellness Action 2025

[目的]従業員とその周囲の方:・心身の健康リスクの低減・豊かな人生の実現 社会:・社会課題※への対応 ※医療費増加、肥満、活動量不足、偏食など・Wellness Action推進による社外への好影響 会社:・1人ひとりのパフォーマンス向上による企業価値向上・Wellness Actionを通して壁を乗り越える企業文化醸成 [ありたい姿勢]従業員とその周囲の方が、Wellness Actionを自分ごととして、ワクワク感を持って取り組んでいる 活力スコア向上 [社員の活性化]活躍する社員比率の向上 2025年目標 2020年度結果を上回る [健康に対する行動変容_重点目標_キリングループCSVコミットメント]プレゼンティーズム改善 適正体重維持者率向上 飲酒:AUDIT8点未満の割合向上 [健康に対する行動変容_重点目標_Wellness Action 2025 GOALS]運動:ウォーキングキャンペーン時の平均歩数5,000歩かつ参加率:80%以上 食事:1年のうち2週間継続して食事記録した者の割合80% 睡眠:自身に適した睡眠習慣を知った者の割合80% 休暇:平均休暇取得日数16日以上 喫煙率5%以下維持 定期健康診断受診率100% 健康診断事後措置ガイドライン厳守(協和キリン社) 全事業場のストレスチェック集団分析 [協和キリングループ人材マネジメント基本方針]社員 自律し、変革に挑む 個を活かし、共創を促す 会社 [取組体制]コラボヘルス 健康保険組合 [協和キリングループ経営理念・ビジョン、価値観、行動規範]

Wellness Action 2025進捗状況(協和キリン単社)

全社および事業場毎の進捗をモニタリングするとともに、経営層との課題共有機会を設け、取組の評価・改善に努めています。

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2022年 2023年 2024年
健康関連の最終的な目標 活力スコア 「私は、自身を含む職場のメンバーやその周囲の方の健康と豊かさについて、自分ごととしてとらえ、お互いに働きかけ合い、楽しんで取り組んでいる」の肯定回答率(Wellness Actionに関する調査) 71% 77% 69%
プレゼンティーズム 過去4週間における総合的なパフォーマンスをあなたはどのように評価しますか?
(WHO-HPQによる絶対的プレゼンティーズム)
62.76 63.91 63.97
ワーク・エンゲイジメント いきいき度(ストレスチェックの該当項目回答率より算出) 123 126 125
健康リスク 定期健康診断の結果に基づく、適正体重維持者の割合 67.2% 70.2% 集計中
アブセンティーズム 傷病による欠勤・休職および退職者の割合 1.6% 1.5% 集計中
従業員の意識変容・行動変容に関する指標 運動 ウォーキングキャンペーンの参加率および平均歩数 参加率
76.8%
平均歩数
5,265歩
参加率
86.2%
平均歩数
5,885歩
参加率
87.2 %
平均歩数
5,233歩
運動習慣者比率
  • 1週に2回、1回あたり30分以上の運動を実施している人の割合
31.5% 33.3% 30.2%
食事 食事キャンペーンへの参加率 16.8% 19.2% 50.9%
休暇 年間を通じた休暇の平均取得日数 18.0日 18.3日 19.6日
喫煙 喫煙者の割合 4.0% 3.7% 集計中
適正飲酒 非飲酒群、危険の少ない飲酒群(AUDIT8点未満)の者の割合 80.5% 79.2% 78.2%
健康投資施策の取組状況に関する指標 定期健康診断受診率 定期健康診断の受診率 100% 100% 99.9%
二次健診受診率 当社健康診断事後措置ガイドラインに基づく、事後措置レベル3該当者のうち、産業医が医療機関受診不要と判断した者を除いた二次健診(精密検査、再検査)受診率 100% 98% 集計中
産業医面談 当社健康診断事後措置ガイドラインに基づく、事後措置レベル3該当者の産業医面談実施率 100% 100% 100%
メンタルヘルス ストレスチェック受検率 97.8% 97.2% 97.2%

具体的な取り組み

健康増進や疾病予防対策等のグループ共通施策他、事業場独自施策も積極的に実施しています。
従業員の健康診断結果や健康スコアリングリングレポートを健康保険組合と共有しながら、各種健康施策の計画や従業員の健康維持増進に向けた取り組みを実践しています。

グループ共通施策

  • 運動(ウォーキングキャンペーン、SmileWalk(社会貢献企画))

    21年から開始した本企画は、事業場対抗や年代別対抗など、遊び心を交えた企画を展開することで、参加率、平均歩数が増加しました。24年は、「周囲の仲間と楽しみながら取り組む“自分の健康づくり”が“より良い社会づくり”にも繋がる」 というコンセプトで、参加率や歩数に応じて寄付を行う従業員参加型の社会貢献企画「Smile Walk」を実施し、社会・医療・次世代をテーマに活動を行う3団体に寄付活動を実施しました。

    周囲の仲間と楽しみながら取り組む“自分の健康づくり”が“より良い社会づくり”にも繋がる2024年 春のウォーキングキャンペーン 参加者3,809人 参加率87.2% 平均歩数5,278歩/日
  • 食事(食活!『あすけん』チャレンジ)

    「食活!『あすけん』チャレンジ」とは、AI食事管理アプリ『あすけん』を導入して、食生活の改善を通じて従業員の健康増進を応援する、協和キリン独自の施策です。
    2024年度は、4~5月「朝食」、6~7月「たんぱく質」、8~9月「野菜」、10~11月「脂質」を取り上げ、統括産業医による食事についてのオンラインセミナーを開催しました。アプリ上には協和キリン独自の目標を設定して食事記録を行うなど、日本全国の全従業員が楽しみながら取り組みにチャレンジしました。
    また、協和キリン卓球部に所属する松平賢二選手などのアスリートたちは、『あすけん』アプリを活用した体力づくりに取り組んでいます。

    「食活!あすけんチャレンジ」の社内企画

    • 全従業員の社用スマートフォンにあすけんアプリを標準搭載
    • 協和キリンの従業員は摂取した食事をAI診断(プレミアムモードを利用)
    • 定期健康診断事後措置における「要保健指導」対象者へ利用促進(産業医による指導:本社、中国四国支店、九州支店)
    • 統括産業医によるオンラインセミナーを開催 「食事は大切 特に朝食は」、「たんぱく質と疾患」、「野菜の魅力を楽しもう」、「脂質のリスクに備えよう」
    • 「ベジチェック測定会」、「超悪玉コレステロールセルフチェック会」などのイベントを開催
    2024年度食活!あすけんチャレンジ従業員参加率の推移 4月18.0% 5月24.7% 6月26.8% 7月32.9% 8月38.7% 9月42.3% 10月45.8% 11月50.9%
  • さまざまな健康施策の取り組み
    • 定期健康診断における法定を上回る検査項目の追加(生化学検査、がん検診等)
    • 高リスク者重症化予防事業
    • 健康に関する各種講演会の開催
    • 産業医、外部委託等によるメンタルヘルス相談体制の整備・研修の実施
    • 社内SNSによる双方向コミュニケーション
    • スポーツクラブの優待利用
    • 禁煙外来・補助薬の費用補助
    • 疾病予防に関する費用の補助(人間ドック、インフルエンザ予防接種、ピロリ菌除菌他)
    • 就労継続支援(がん治療と仕事の両立支援(協和キリンのみ)、傷病による長期休務からの復職支援)
    • 睡眠セミナー
    • 工場オフィス内に、「休憩・交流」、「運動」、「仮眠」一体型のリフレッシュエリアを設置
  • 働く女性と健康
    協和キリンのDE&Iの取り組みの一つに、誰もが安心して自分らしく活躍できることを目指す『女性のEmpowerment(女性活躍推進)』があります。2025年度からその基盤確保のためまずは女性の健康を重視し、国際女性デーを起点として全従業員を対象に「女性の健康支援」(eラーニング)を実施することで、協和キリン独自の女性の健康支援を実践しています。
    • 2025年eラーニング参加率: 95.3%(男性:97.4% 女性90.9%)

自社を超えた取り組み

  • 協和キリングループWellness Action 2025に基づく敷地内禁煙を、工場へご来場されるお客様にもご案内している。
  • サプライチェーンのお取引先に向けた説明会で、弊社健康経営についてご紹介している。

取り組みの評価・改善

各取り組みについて、経営戦略会議等にて、定量と定性の両面から確認し評価を行っています。
健康への取組みを通して、健康上のリスクの最小化と前向きで活力のある職場づくりを推進し、経営課題の解決を目指します。

健康投資と想定効果

禁煙の取組み当初の課題

経営理念に「世界の人々の健康と豊かさに貢献」を掲げ、医薬事業に取り組む企業でありながら、全国成人喫煙率(男女計)と比較すると従業員の喫煙率が高い
→従業員やご家族が健康で豊かで笑顔であることが、経営理念の実現にも繋がるため、従業員の禁煙に取り組む

協和キリン社の禁煙の取組みにおける良い点

  • 非喫煙者を含む従業員1人ひとりの「自分ごと」化と挑戦
  • 経営層、事業場長、および、事業場人事の継続的支援
  • 喫煙に関するルールの段階的設定(禁煙の日 → 就業時間内禁煙 → 就業時間内禁煙+敷地内禁煙)
  • 定期的な喫煙状況の確認と進捗共有
  • 健康保険組合との連携 (従業員コミュニケーションは事業主、禁煙補助事業は健康保険組合)
[健康投資]時間をかけ、従業員へ会社の本気度を説明 [健康投資施策の取組状況に関する指標]喫煙者の禁煙宣言提出率 [従業員の意識変容・行動に関する指標]喫煙者比率 [健康関連の最終的な目標指標]禁煙による生産性向上 [健康経営で解決したい経営課題]従業員の健康と安全 企業文化の改革(壁を乗り越え、やり切る) [健康投資]主な投資:従業員への説明や応対(約5,000千円) [健康投資施策の取組状況に関する指標]2020年目標:100% 2020年8月実績:79.5% [従業員の意識変容・行動に関する指標]2025年目標:5%以下維持 2023年3月実績:3.7% [健康関連の最終的な目標指標]主な想定効果:非喫煙者含む罹患率減少、労働生産性向上など(約304,150千円)
当社の喫煙率 2017年:21.2% 2018年:18.0% 2019年:12.2% 2020年:4.4% 2021年5月:4.7% 2022年5月:4.0%:4.7% 2023年:3.7%

運動に関する課題

  • 「従業員の健康意識や関心、業務時間との両立、職場文化の影響等、運動イベントを全従業員が取り組むためには仕掛けが必要であった。」
    → Wellness Action2025では、「ウォーキングキャンペーン参加率」や「平均歩数」といった具体的かつわかりやすく取り組みやすい目標を、従業員全員が自分ごととして取り組めば達成できる水準で設定した。

協和キリン社の運動の取組みにおける良い点

  • 生活習慣に関する実績を振り返り、従業員にとってわかりやすい目標に変更したことで、行動変容に繋がった。
  • 各事業場の良好事例を共有しながら取り組むことで、場所の壁を超え、全事業場における取組みの活性化に繋がった。
  • 健康保険組合と連携を取りながら開催している。(従業員コミュニケーションは事業主、アプリ運用は健康保険組合)
  • 社会貢献型企画で「より良い社会づくりにも繋がる」ことが、行動変容への更なるモチベ―ションに繋がった。
  • ウォーキングキャンペーンの実践により、社内に「運動=ウォーキング」の意識を根付かせることができた。
健康投資:ウォーキングキャンペーンの実施 主な投資:従業者への説明や応対(約2,200千円)健康投資施策の取組状況に関する指標:ウォーキングキャンペーンの参加率向上 2025年目標:80% 2024年 実績:87.2% 従業員の意識変容・行動に関する指標:ウォーキングキャンペーンへの平均歩数向上 2025年目標:平均歩数5,000歩 2024年実績:平均歩数5,233歩健康関連の最終的な目標指標:出勤時のパフォーマンス向上(絶対的プレゼンティーズム)  適正体重維持者率の向上(健康リスク)活力スコアの向上(ワクワク感のあるWellness Action) 健康経営で解決したい経営課題:従業員の健康と安全 企業文化の改革(壁を乗り越え、やり切る)
ウォーキングキャンペーン参加率推移 2019年:20.0% 2020年:40.7% 2021年75.4% 2022年:76.8% 2023年:85.4% 2024年:87.2%

食事に関する課題

  • 毎日忙しく働く従業員にとって「食事」は幸福度が高いものであり、健康のためと理解はできてもなかなか食事を改善するという行動変容は難しいと考えられる。
  • 一人ひとりがまずは「1食」の記録をしてみる文化の醸成が必要である。
  • 職種によっては、社用スマートフォンを常に持つことができず、入力が難しい環境が存在する。

協和キリン社の食事の取り組みにおける良い点

  • 社用スマートフォンへAIアプリ(あすけん)を搭載したことにより、食事を楽しみながら健康を気遣う従業員が多くなった。
  • 食事を画像に取りこむだけで栄養摂取量がわかり、自身の食事のくせや栄養のバランスを身近に感じながら参加することができるようになった。
  • 保健指導の管理アプリとして利用することで、適正体重の維持に利用することができた。

外部評価

経済産業省が実施する「健康経営度調査」において、所定の基準を満たしたことから、「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に認定され、制度開始以降9年連続で認定を受けています。

2025 健康経営優良法人 Health and productivity 大規模法人部門 ホワイト500
  1. 健康経営優良法人制度は、健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的として、2017年から認定が開始されました。
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