方針・戦略
協和キリングループでは経営理念とビジョンの実現、新しい価値を創造し続ける人・組織づくりの強化に向けて「協和キリングループ人材マネジメント基本方針」を定め、その中で「人材はイノベーションの源泉」と位置づけています。さらに、2030年ビジョンとして「イノベーションへの情熱と多様な個性が輝くチームの力で、Life-changingな価値を継続的に創出すること」を掲げ、その実現に向けた具体的な事業戦略を「Story for Vision 2030」として策定しています。また、事業戦略を推進していく人・組織に期待する行動として「KABEGOE Principles」をグローバルに共有しています。 私たちは、ビジョンをStrategy(事業活動/事業戦略)とTeam(人・組織)の双方から成り立つものと捉えています。”戦略実行と持続的成長に不可欠な人材ポートフォリオの強化”、”最速・最適な意思決定と実行が出来る組織への変革”、”KABEGOE Principlesの実践でつくる「KABEGOE Culture」の醸成”、これら人・組織・カルチャーの取組みを通じ、戦略を力強く実行するケイパビリティを備えたチームづくりを推進しています。具体的には「Unlock the Potential」「Enterprise Leader」「Great Place to Work」「KABEGOE Culture」「Digital Transformation」という5つの柱をグローバルで掲げ、多様な人材がそれぞれの能力を最大限引き出し挑戦できる機会を提供することで、Life-changingな価値を提供し続けていくことを目指しています。
協和キリングループ 人材マネジメント基本方針
制定日:2017年8月30日
協和キリングループ(以下、「当社グループ」という)は、経営理念を実現するために、価値観と行動規範に基づき、高い倫理観をもって行動し、社会から信頼される企業グループを目指しています。
健康・医療に対するニーズ・技術が多様化する一方、医療経済の問題がグローバルな課題となるなど当社グループの事業を取り巻く環境変化は激しさを増しています。そうした環境変化のなかで、新しい価値を創造し、事業のグローバル展開を進めるなど、事業モデルの転換スピードを速めていくためには、リーダーシップを発揮し、自律的に変革に挑む社員の確保・育成が不可欠と認識しています。また、多様な背景を持つ個々の能力を活かし、新たな価値を生み出す共創の場を提供することが必要と考えています。
以上の背景を踏まえて、当社グループにおける社員と会社の関係および社員の能力開発に対するグループ共通の考え方を明確に示し、変革に挑み新しい価値を創造し続ける人・組織づくりを強化するため、以下の方針を定めます。
当社グループは、人材をイノベーションの源泉ととらえ、当社グループ社員一人ひとりの能力を最大限引き出し、変革に挑み新しい価値を創造し続ける人と組織をつくることを目指します。
当社グループは、当社グループ社員の個を活かし、共創を促します。
当社グループは、自由闊達な風土をつくります。
当社グループは、挑戦と成長の機会を提供します。
当社グループ社員は、自律し、当社グループの成長に資する変革に挑みます。
当社グループ社員は、自ら考え、対話し、行動します。
当社グループ社員は、自己成長と組織貢献を追求します。
当社グループは、当社グループが事業活動する国における労働関係法令・ガイドライン・業界ルールを遵守し、労務管理を行います。
当社グループは、上記1~4の実現のため、当社グループ各社において、適切な組織体制および業務プロセスを構築し、運用します。
以上
ガバナンス
グローバルタレントマネジメント体制の整備と推進
One Kyowa Kirin体制をサステナブルに発展させていくため、グローバルで各地域や機能部門の将来を担う次世代リーダー候補を発掘し、育成、抜擢する仕組みを推進しています。
グローバルタレントマネジメントを戦略的に進めるべくグローバル共通の人事基盤整備として、グローバルキーポジションとその人材要件の特定、グローバル共通のグレーディングの整備、グローバルサクセッションプランの策定などに取組んできました。これらのデータは、グローバル人事システム(HRIS)を通じてリアルタイムに共有され、データに基づいたタレントマネジメントに活用されています。適所適材の人材配置を実現することで、持続的にグローバルリーダーを発掘・育成・抜擢していくことを目指しています。
また、パフォーマンスマネジメントの仕組みをグローバルに統一し、クロスリージョン・クロスファンクションでの人材マネジメントと価値創造をさらに推進しています。私たちの人・組織のありたい姿をまとめたKABEGOE Principlesは、パフォーマンスマネジメントに組み込まれたほか、今後もタレントマネジメントの各側面に取り込んでいきます。
指標および目標
エンゲージメント調査「Global Engagement And Motivation Survey (GEMS)」
協和キリンでは、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す重要な指標として、毎年エンゲージメント調査 (Global Engagement And Motivation Survey) を実施し、組織改善課題の把握や組織活性化に向けての施策検討に活用しています。本調査では社員が能力を最大限に発揮するための重要な要素として、会社へのコミットメントの度合い、仕事における自発的な取り組み意欲を示す「社員エンゲージメント」と、適材適所の実現や、最大限に能力を発揮するための働きやすさを示す「社員を活かす環境」に着目しています。また、多様性を強みにできる組織を目指すべく2020年から「ダイバーシティ&インクルージョン」も指標に追加しています。 2025年の調査結果では、「社員エンゲージメント」の肯定回答率が70%(-1pt)、「社員を活かす環境」の肯定回答率が70%(±0pt)であり、昨年と概ね同水準の結果となりました※1 。 この調査結果を受けて、トップマネジメントおよび各組織で分析を行い、従業員一人ひとりがエンゲージメント高く働けるよう、見出された課題に対する改善案を立案・実行しています。また、従業員の声を確実にアクションにつなげる仕組みを強化するために、従業員リスニングプログラムのリニューアルに着手しています。
※1 調査対象者数・回答率
対象者数:5,384名 回答者数:5,145名 回答率:96%
設問カテゴリー
社員エンゲージメント/戦略・方向性/リーダーシップ/品質・顧客志向/個人の尊重/成長の機会/報酬・福利厚生/社員を活かす環境/業績管理/権限・裁量/リソース/教育・研修/協力体制/業務プロセス・組織体制/ダイバーシティ&インクルージョン /経営理念・価値観 /行動規範・コンプライアンス/期待される働き方/会社のクオリティーカルチャー/KABEGOE Culture
ベンチマークデータ
グローバル平均、好業績企業平均、製薬平均、Region別平均、地域・国別平均
※ 最新の組織構造に過去の組織を紐づけ、過去の結果も再計算している
※ 当該年度のスコアおよび前年からの変化は、実数値を小数点以下で四捨五入した上で表示されている
具体的な取り組み
人材育成とキャリア開発
協和キリングループは「One Kyowa Kirin」体制のもと、KABEGOE Principlesを実践し、人と組織(チーム)の力を最大限に引き出すことで、イノベーションにつながる人材育成を進めています。 そのために、日々の業務を通じた成長機会に加え、社員一人ひとりが自らのキャリアに主体的に向き合い、必要な学びや経験を選べるよう、公募型を中心とした体系的なプログラムを整備しています。
人材育成の中核として、私たちはピープルリーダーの役割を重視しています。 ピープルリーダーが日常の業務や対話を通じて、メンバーの学びと挑戦を後押しし、力を結集することで、チームとして成果を生み出し、組織全体の価値創出につなげます。
また、社員の自律的な学びを支える基盤として、グローバル共通の学習プラットフォーム「LinkedIn Learning」と、グローバル共通の育成プログラム「OKK Academy」を展開しています。 クロスファンクショナル、クロスリージョナルな学び合いを促進するとともに、次世代リーダーの育成や、グローバルで通用するリーダーシップの強化に取り組んでいます。
日本リージョンでは、グローバルグレードに準拠した等級制度とパフォーマンスマネジメントのもと、「キャリア自律」「ピープルリーダー」「グローバル」「デジタル」の4つを人材育成の柱に据え、日本独自の育成プログラムを展開しています。 加えて、社員がキャリアのオーナーシップを持てるよう、全経営職ポジションのジョブディスクリプションの公開や社内公募の拡充を進め、挑戦と成長を支援しています。
これからも、社員と会社がともに成長し続ける関係を大切にしながら、人材育成施策を継続的に進化させていきます。
各種関連施策
「キャリア自律」支援施策
自律・チャレンジ・変革に向けたキャリア基礎研修
傾聴力を鍛えるキャリア1on1トレーニング
世代別キャリアフォーラム
ナナメンタリング
社内公募、社内副業
LinkedIn Learning
「ピープルリーダー」マネジメント強化施策
新任経営職研修
ピープルリーダー研修
異業種交流研修
プロアクティブリーダーシップ研修等
「グローバル」
OKK Academy(Global Learning Week、OKK Global Leadership Program、Global Exchange Program)
異文化理解研修
語学学習支援制度
新入社員3年育成施策(新入社員研修、2年次面談、3年次研修)
選抜型研修
「キャリア自律」支援では、全従業員を対象にキャリア基礎研修、世代別フォーラム、キャリアコンサルタントによる個別相談を提供するとともに、全社横断型のメンタリング制度(ナナメンタリング)を通じて、社員が主体的にキャリアを描ける環境を整えています。
「ピープルリーダー」の育成においては、「新任経営職研修」に加え、「傾聴力を鍛える1on1トレーニング」や「ピープルリーダー研修」を実施し、協和キリンのピープルリーダーに期待される役割の発揮に必要な知識・スキル・マインドを体系的に習得できる環境を整備しています。
また、職場の目標達成や変革を実現するため、プロアクティブにリーダーシップを発揮できる人材の育成を目的として、「プロアクティブリーダーシップ研修」に加え、他業種の参加者との交流を通じて自身を客観的に捉え、柔軟な発想や高い視座をもって自部署の業務や仕事の進め方を主体的に変革する力を養う「異業種交流研修」を実施し、リーダーシップの強化を図っています。
「グローバル」分野では、OKK Academyの一環としてGlobal Learning Weekを開催し、リージョンや部署を越えた学び合いの機会を提供しています。さらに、会社を牽引していくリーダー層を対象としたOKK Global Leadership Programや、地域・部署を越えてOJT経験を積むことのできるGlobal Exchange Programなどを通じて、グローバルで活躍する人材の育成に取り組んでいます。
「デジタル」人材育成については、協和キリンデジタルビジョン2030のもと、デジタルトランスフォーメーションを推進するため、部門横断でのデジタル人材の育成を強化しています。
「新入社員育成」では、入社3年目までの新入社員を対象に、上司やOJT指導者、配属先の先輩社員が一体となって育成に伴走する「3年育成施策」を実施しています。さらに「次世代経営人材」の育成については、将来を担う若手リーダーを選抜し、長期にわたるOJTおよびOFF-JTを組み合わせた育成を行っています。OFF-JTでは、約半年間のアウトプット中心の教育を通じて、事業戦略をグローバルレベルで立案・実行できる知識やスキルを習得させ、研修修了後は経営候補として積極的にポジションをアサインし、事業経験を通じた継続的な育成を行っています。
このように、研修の機会提供にとどまらず、現場実践や他者との関係性を重視した育成を通じて、ビジョンの実現に貢献できる人材の育成を進めています。
2025年度の当社の年間受講者一人あたりの研修時間と、従業員一人あたりの研修時間は以下のとおりです。(人事総務部主催の全体共通教育を基に算出。但し、Global Learning Week、部門ごとに実施している職種別の専門人材教育、LinkedIn Learningを含む自己啓発に関する時間を除く。)
年間受講者一人あたりの研修時間:3.6時間
従業員一人あたりの研修時間:5.7時間
(また、研究開発に携わる人材のサイエンスレベル向上や、社外での活躍機会の提供などを目的に、大学等の教育機関にて教育研修プログラムへの参画等の取り組みを実施しています。)
パフォーマンスマネジメント
協和キリンでは、グローバルで共創を促す人材マネジメントの基盤を作り、全員でKABEGOE文化を醸成していくため、パフォーマンスマネジメントの仕組みをグローバルで共通化しました。パフォーマンスマネジメントは、社員の能力開発、エンゲージメント向上、育成を通じて社員と会社の成長を促進する継続的なプロセスです。これによって病気と向き合う人々に笑顔をもたらすという私たちの使命を実現する力となります。このプロセスにおいては、継続的な対話とフィードバックの共有を重要視し、グローバル戦略に沿って、各自が何を達成すべきかを明確にすることに役立てます。同様に大切にしているのは、これらの目標をどのように達成するか、です。KABEGOE Principlesは、KABEGOE文化を醸成し、ビジョンを達成するために、日々の行動や意思決定において私たちが目指すべき考え方や行動をより具体的に示し、従業員一人ひとりの行動指針としています。また、中長期的なキャリア、能力開発を支援するため、キャリア希望、目標を上司とすり合わせながら、対話を通じてキャリア形成を支援していく仕組みも設けています。
社員との対話
協和キリングループでは国内外で「Meet Up」という経営層と従業員との対話の機会を設けています。経営層が現場に赴いて従業員の生の声を聞き、また経営の立場から会社や方向性について語ることで相互理解を深め、役職や立場、リージョンの壁を越えた対話を行っています。
また、日本においては、労働組合との間でユニオン・ショップ制の採用を合意し、働きやすい職場環境の維持、企業文化の醸成に向け、お互いの立場を尊重し、建設的な議論を重ねています。
業績連動型の報酬体系
協和キリンでは、会社業績を反映して賞与水準を決定する、業績連動型の報酬体系を採用しています。また、個人ごとの賞与額については、組織業績に対する貢献度合いを反映することとしています。会社業績や個人の貢献度を一定の範囲内で報酬に反映することで、業績向上に向けた一人ひとりの意欲喚起につなげています。
学位取得支援の取り組み
協和キリンは、研究開発型ライフサイエンス企業として、主に研究開発分野における社員のキャリアパスに資する学位取得を支援しています。支援対象者に対しては、学位取得に係る一部の費用を会社が負担します。
ハイブリッドワーキングモデル
協和キリンでは、Life-changingな価値創造に向けて全従業員がその能力を最大限発揮するため、従業員一人ひとりが主体となって、機能ごと、リージョンごと、組織ごとに最適な働き方を考える「ハイブリッドワーキングモデル」を提唱しています。
【協和キリン ハイブリッドワーキングモデル3つの基本方針】
Nothing that costs our well-being is worth it(ウェルビーイングを第一の判断基準に)
Flexibility within a framework(価値創造に向けた枠組みの中で柔軟に)
Employees are the architects of the new Model(意思をもって自分たちの働き方をつくる)