創薬研究

研究開発本部 免疫アレルギー研究所

理学系研究科
2016年入社

現在の仕事内容、研究内容は?

自己免疫疾患や血液疾患の治療薬となるタンパク質医薬の研究を行い、候補分子の選抜から薬理評価まで担当しています。私は入社時に創薬技術研究所に配属され、約2年間新しい抗体技術の構築に取り組んできました。現在はそこで育まれた技術の種を磨きながら、パイプラインとなるプロダクト創出に取り組んでいます。まだ入社4年目ですが、幸いなことにテーマリーダーを任されており、他部署の方々とも連携しながら業務を進めています。協和キリンが開発経験のない疾患を担当しているため、テーマリーダーの責任は大きく、自分の判断で方針を変えることもしばしばあります。緊張感はありますが、その分やりがいも感じています。

学生時代の研究内容は?

特殊環状ペプチドに関する研究に取り組んでいました。特殊環状ペプチドとは、D-アミノ酸やN-メチルアミノ酸といった非天然アミノ酸を含む環状ペプチドのことを指し、一般に標的分子に対する高い結合親和性やプロテアーゼに分解されにくいといった特徴があります。医薬品として使用されているシクロスポリンが有名です。研究室では、遺伝暗号のリプログラミングにより様々な非天然アミノ酸を導入したペプチドを翻訳合成する技術を確立していましたが、複雑な骨格をもつ天然物ペプチドを合成することは困難でした。そこで私は、シアノバクテリア由来の酵素を用い、より天然物に近い特殊環状ペプチドの合成に取り組んでいました。研究室は40名を超えるビッグラボで、そのうち1/3程度は外国籍の方という国際色豊かな環境でした。海外学会や研究所訪問で海外の研究者と議論する際には、その時の経験が役立っているなと実感しています。

協和キリンの技術的強みは?

ポテリジェント技術を始めとした糖鎖改変技術に強みを持っています。ポテリジェント技術は、抗体Fc領域からフコースを除去し、ADCC活性を増強する技術です。その技術を活用して、これまでにCCR4抗体やIL-5受容体抗体といったユニークなプロダクトを創出してきました。また、最近では糖鎖改変技術を核酸医薬にも応用しており、改変糖鎖リガンドを用いてsiRNAを免疫細胞に特異的に送達する技術も開発しました。 協和キリンは、抗体医薬、低分子医薬、核酸医薬、再生医療の4つのモダリティにまたがって研究していることが特徴的です。各モダリティ研究者が組織横断的に議論し、技術を磨ける点は協和キリンの大きな強みだと考えています。

目下取り組んでいる挑戦は?

新しい創薬技術要素を取り入れた医薬品開発に挑戦しています。現在はリードとなる分子を作製しつつ、技術コンセプトを検証している段階です。自社で開発経験のない疾患を標的としているため、自身がその疾患のスペシャリストになれるよう日々努力しています。KOL(Key Opinion Leader)の先生方と面談した際、よく勉強しているねと言われた時は非常に嬉しかったですね。創薬コンセプトが新しいため不安もありますが、「狙ったものができれば絶対に薬になる」という信念のもと、チームメンバーが一丸となって取り組んでいます。
また、新しいテーマを近々研究所長に提案する予定です。ゼロベースでテーマを提案する経験は初めてなので、これも一つ大きなチャレンジになると思っています。医療は日々進歩していますが、残念なことに未だに若くして亡くなる方やつらい経験をされる方がいます。そういった方を救いたいと思い協和キリンに入社したので、その思いを実現できるよう、継続してプロダクトを創出していきたいです。

目指すキャリアは?

テーマリーダーを務めているプロジェクトを進め、上市させることです。学生の頃は、基礎研究者になるか企業研究者になるか迷っていましたが、人々の健康に貢献したいというモチベーションから協和キリンに入社しました。その頃のモチベーションを忘れずに、パイプライン創出を継続的に続けていきたいと思います。そして将来は、世界を代表する研究者になりたいと思っています。研究職の醍醐味は、世界最先端の現場に身を置けることです。最近はオープンイノベーション活動も活発化しており、学会発表や特許公開を機に社外と連携するケースも増えてきているので、その際に協和キリンの顔として認知されるよう継続的に成果を出していきたいと思います。

研究職の社員たち

※社員の部署・役職は取材当時のものです。