創薬研究

研究開発本部 抗体バイオロジクス研究所

薬学系研究科
2009年入社

現在の仕事内容、研究内容は?

パイプライン創出のための革新的な新規技術の開発をしています。具体的には、抗体の選択性の限界を超え、既存の治療薬の限界を突破するような新たな抗体技術の開発です。技術の根幹となるコンセプト検証が終了し、現在は医薬品レベルに仕上げるための取り組みをさまざまな部署と協力しながら進めています。こうした技術テーマに取り組む以外にも、次期競争的技術を創出するためのアイデア出しを行っています。アイデアを考える時は、自分が所属している抗体部門だけでなく、核酸など、他のモダリティのスタッフとも意見交換して刺激を受けるようにしています。当社は抗体バイオロジクス研究所、核酸医薬研究所、再生研究所、低分子研究所のような多くのモダリティ研究所を有しており、発見した分子を抗体で活かすのか、核酸で活かすのか、応用の可能性を幅広く考えていくことが可能です。

学生時代の研究内容は?

入村達郎教授に師事し、エボラウイルスの感染メカニズムの解明を行っていました。研究室に配属された2004年に、当研究室で同定された、マクロファージに発現する糖鎖を認識するC型レクチンが、エボラウイルスが感染する受容体の一つであることが明らかになりました。エボラウイルスには複数のストレインが存在することが知られており、それぞれのストレインでヒトへの感染効率および致死率が異なることから、何故その違いが起こるのかの研究を修士・博士課程の5年間をかけて行いました。ストレイン間での感染効率の違いがエボラウイルスのウイルス表面糖鎖構造の違いであること、標的細胞に感染する際に必要なドメイン構造に起因するといった研究結果をまとめ、論文化しました。

協和キリンの技術的強みは?

当社の研究体制は、抗体バイオロジクス研究所、核酸医薬研究所、再生研究所、低分子研究所のような多くのモダリティ研究所と、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の疾患カテゴリーユニットからなります。疾患カテゴリーユニットからアンメットメディカルニーズ、技術的なハードルがあり狙うことができない課題などを抽出し、モダリティ研究所で新たな技術を創出できないかを議論することができます。前述の通り、さまざまなモダリティを有しているため、アンメットメディカルニーズに対して複数のソリューションを提供することができます。また、複数のモダリティを有していることは、発見された新規分子に対する治療薬を創出する際にも有利に働くと考えます。

目下取り組んでいる挑戦は?

現在は、新しい技術を搭載した抗体技術を医薬品レベルに仕上げていくために、一つひとつ課題をクリアしています。この新しい技術に関する特許を取得するとともに、自社パイプライン創出、技術ライセンス活動など、技術の価値最大化に向けての取り組みを関係部署と連携しながら進めています。また、この技術のコンセプトを利用した次の技術開発もスタートさせていますし、5年後10年後を見据えた技術開発活動にも着手し始めたところです。現状に満足することなく、新たな取り組みを積極的に仕掛けることで、持続的な技術創出を展開していきたいと考えています。

目指すキャリアは?

まずは、現在手掛けている抗体技術を医薬品として使えるレベルまでに仕上げるために、現状直面している課題を一つずつ着実にクリアしていきたいと思っています。そして、この技術が自社のみならず全世界で使われ、患者さんに早く提供することができるように取り組んでいきたいと思います。また、技術開発は現状に満足することなく、常に進化し、次々に新たな技術を生み出す持続性が求められるかと思います。持続的な技術創出を行うためには、バイオロジーの深耕が不可欠だと感じていますので、国内あるいは海外で研鑽を積み、次期技術開発に向けた準備をしたいと考えています。研究者として社内外で認められるように、日々の研究に邁進します。

研究職の社員たち

※社員の部署・役職は取材当時のものです。