生産プロセス研究

生産本部 バイオ生産技術研究所

工学研究院
2013年入社

現在の仕事内容、研究内容は?

バイオ生産技術研究所は、バイオ医薬品の創薬から生産につなげる開発部門です。細胞構築・培養を行う「創る技術」の原薬1グループ、精製を行う「磨く技術」の原薬2グループ、品質を維持する製剤設計を行う「保つ技術」の製剤グループ、製品の品質を評価・分析する「見る技術」の品質物性グループの4機能グループがあり、私が所属する製剤グループでは、薬の種となる候補物質を患者様に届く形=医薬品とするために必要な、処方開発・容器開発・製造プロセス開発に取り組んでいます。 例えば、タンパク質製剤は非常に不安定であるため、患者さんが安全に使える医薬品を供給し続けるためには、安定な処方の開発が不可欠です。容器の開発においては、患者様や医療従事者の方がより使いやすい医薬品となるよう、利便性の高い剤形や容器を探索します。不安定なタンパク質製剤の開発は困難な課題も多いですが、治療に貢献できる製品開発はやりがいも大きいです。

学生時代の研究内容は?

学生時代は薬物送達システム(DDS; Drug Derivery System)の研究をしていました。学部時代は経皮薬物送達システムを応用した機能性化粧品の研究、大学院では生体高分子を細胞内部に送達させるための多層ナノ粒子の研究を行っていました。キャリアを構成する両親媒性物質の種類や配合を変え、時には自分で合成し、細胞を用いた実験で効果を確認する、という試行錯誤の毎日でした。
出身学部は工学部と、医薬の分野ではなかったのですが、界面化学を応用したDDS研究を始めたことで医薬の分野に興味を持ち、協和キリンを志望するきっかけとなりました。入社後の研究とは異なる分野ですが、化学の基礎や、仮説を立てて実験し、結果を考察して次の検討案を練る、という研究の基礎プロセスでは、今も学生時代の経験が活きていると思います。

協和キリンの技術的強みは?

ポテリジェント技術をはじめとする、抗体医薬の独自技術はもちろんですが、「モノづくりの技術」も強みのひとつだと考えています。上市品から治験薬まで、幅広い原薬・製剤の製造経験を活かし、日々製造プロセス向上のためのさまざまな研究が進められています。近年は特にグローバル市場への供給が開始され、グローバルな視点での品質を達成するため、新しい技術の導入にも挑んでいます。また、より安価な製造方法も追及し、多くの患者さんがバイオ医薬品を使用できる環境にすることも目標です。
製剤開発の分野では、患者さんが使いやすい製品の開発にも注力しています。医薬品の承認申請・販売がゴールではなく、その後もより使いやすい製品になるよう、ライフサイクルマネジメントとして、容器改良や剤形追加などに取り組んでいます。
研究開発の仕事は、直接患者さんやお医者さんと接する機会が多いわけではありませんが、どういった剤形が治療現場で求められているのか、ときには医療機関に直接ヒアリングに行ったり、MR社員を通して先生方の声も集めています。これまでの経験をこれからの開発に生かすことも、協和キリンの強みになればと考えています。

目下取り組んでいる挑戦は?

現在は、これまで取得した試験結果をまとめ、実生産プロセスへの移管、承認申請のための準備を進めています。チームのみんなでこれまで研究してきた候補物質が、大きな工場で製剤化されていく工程は非常に感慨深いです。もちろん、スケールアップには予期せぬトラブルも多いですが、チームみんなで取り組むモノづくりはやりがいがあります。 また、医薬品が生産されてから患者さんに投与されるまでの間には品質に影響を与えるさまざまなストレスがあります。製造中のストレス、保管中の温度や光の影響、輸送中の振動、投与前の調剤操作など、これらすべてのストレスに対し、目的の品質を維持できる製剤の開発を目指しています。現在は、グローバル開発が進む中で複雑・多様化する輸送ルートに対し、安定な品質で供給するための基礎データの蓄積を行ったり、安定供給のための製造プロセスの改良に注力しています。

目指すキャリアは?

中堅の年代となった現在でも、製剤開発について日々学ぶことは多いです。開発品目のバリエーションも増え、新しい製剤技術の開発も求められています。今後も製剤研究を追求するとともに、視野を広げ、他分野の新しい技術とも融合・発展させていきたいです。 また、グローバル・スペシャリティーファーマへの飛躍のため、研究所でも欧米上市に向けた海外との連携が不可欠な業務が増えてきました。言語やマインドの異なる海外との連携は課題が多いですが、新しい発見も多く、非常に魅力的な仕事です。より多くの患者さんへ届けることにもなりますので、さまざまな地域の医療ニーズに合った医薬品を柔軟に開発できるよう努めたいです。

研究職の社員たち

※社員の部署・役職は取材当時のものです。