臨床開発

研究開発本部 臨床開発センター

新領域創成科学研究科
2008年入社

現在の仕事内容、携るプロジェクトは?

現在、私は、臨床開発計画の立案と実行の責任者を務めています。ある新薬が製造販売承認を得るために、どのようなデザインの試験をどの時期に実施するかという全体の計画を立て、それを実行していきます。試験のデザインを検討する際には、対象となる疾患を専門とする医師と細部にわたり何度も協議して計画を決定します。国際共同試験である場合には、日本の医療環境で試験が実施可能かという点を医師にヒアリングして調査し、日本が参加するかも判断します。これらの計画は、PMDAと協議しながら進めていきます。また、海外や国内の提携企業との連携体制を構築することも重要な業務です。
現在携わるプロジェクトは、腎領域の薬剤で、慢性腎臓病の患者さんを対象として開発しているものです。腎臓の機能が悪化し透析治療が必要となる患者さんの数を減らすことができる薬剤を開発することが目標です。

学生時代の専攻と入社理由は?

大学院時代は医学系の研究室に所属し、がんの原因となるゲノム異常を解析する研究を行っていました。研究室のメンバーの多くが医師で、診療と研究を両立しサイエンスを追求する姿を間近で見ることができました。私にできることは何かを考えたとき、新しい薬を開発して患者さんのために、医師や医療従事者のために役立つ仕事がしたいと思い、医薬品の開発職を志望しました。
協和キリンに入社した理由は、会社説明会や選考の過程で感じた自由な雰囲気と、出会った社員や将来の同期候補の人柄です。若手でも自由に発言できる雰囲気の中で、この人たちと一緒に働きたいと思い入社を決めました。当社で働き始めて10年以上経過しましたが、そのときの直感は間違っていなかったと今でも思っています。

最も印象的なプロジェクトは?

現在担当している薬剤は、過去に一度開発が中断し、その後開発が再開されたものです。海外で実施していた臨床試験が中止となったことで、日本での開発も中断となったのですが、どうしてもこの薬剤の開発をあきらめることができませんでした。そこで、海外の試験が中止となった原因を分析し、より安全性に配慮した臨床試験を改めて計画しました。中止となった海外の試験と同じ疾患領域での開発は、当初、日本でのみ再開され、その進捗を受けて海外でも開発が再開されました。新薬の開発が中断されると、多くの場合はそのまま開発中止となり、再開されるケースはあまり多くありません。この薬剤が貴重なケースとなったのは、プロジェクトのメンバーがこの薬の可能性を信じたことと、多くの日本の医師や治験スタッフの方々が再開を後押ししてくれたことによります。このまま開発を進め、第3相試験で有効性と安全性を確認し、患者さんに届けたいと思います。

協和キリンの開発職の強み、魅力は?

当社の開発職は、経験する業務の幅が広いという点が魅力です。臨床試験のモニター業務はもちろんですが、研究段階の薬の候補化合物の評価、試験計画書(プロトコル)の作成や承認申請方針の検討、PMDAへ提出する資料の執筆や面談時の応対など、医薬品開発のあらゆる面に携わることができます。また、これらの業務を経験したうえで、薬事部などのより専門性の高い業務を行う社内の他部門に移ることもあります。医薬品開発の全体にかかわりながら、さまざまな経験をして自身の強みを見つけ伸ばしていけることが当社の開発職の特徴と考えています。

目下取り組んでいる挑戦は?

これまで長年の間、腎領域のプロジェクトを担当してきましたが、今年からがん領域のプロジェクトも兼任しています。腎臓病と悪性腫瘍という全く異なる領域で、責任者業務を並行して努めることは私にとって新たな挑戦です。全く異なるからこそ、新たな知識や視点を得て成長できると考え、新しい世界に飛び込むことにワクワクしています。また、一方のプロジェクトの良い点を他方のプロジェクトに反映させることで、両プロジェクトがともにより良いものになると期待しています。兼任は想像以上に大変でしたが、プロジェクトのメンバーに支えられながら日々チャレンジを続けています。

目指すキャリアは?

今後成し遂げたいことは、現在担当している薬剤を1日でも早く患者さんに届けることです。そのために、日々の業務を一つひとつ確実に積み上げていくことが重要と考えています。一方で、目指すキャリアは特に決まったものはありませんが、自分がこれまでに経験したことのないことや、自分がこれまでできなかったことに挑戦を続けたいと思います。その結果、いつか振り返った際に、自分らしい、自分だけのキャリアが描けているのではないかと思っています。若手のうちから幅広い業務が経験できる当社ならではの考え方かもしれません。気が付いたらこんなことをやっていた、こんなこともできるようになっていた、となれば面白いですね。

開発職の社員たち

※社員の部署・役職は取材当時のものです。