データマネジメント

研究開発本部 バイオメトリックス部

生命工学研究科
2004年入社

現在の仕事内容、携るプロジェクトは?

データマネジメントの仕事は、治験実施計画書に基づいて臨床試験結果を評価できるように、試験計画の段階からデータをどのように収集するのかを考え、試験データを正しく収集する仕組みを作り、点検を実施してそのデータの品質を保証することです。協力いただいた被験者の試験データを適切に評価に利用できるよう、疑義があれば臨床開発担当や医療機関に問い合わせ、データの品質を高め、データの信頼性を担保します。業務は、電子症例報告書の設計、データベース構築、医療機関によるデータ入力をサポートする入力マニュアルの作成、データ点検方法の策定、点検の実施と幅広く、またCROへの業務委託とそのコントロールもあるなど多岐に渡ります。近年、リスクに基づいた臨床試験の品質管理が求められているため、他部門で構成されるリスクマネジメントの活動にも試験データを管理する立場から参画する場面も増えてきました。
現在は、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経と複数プロジェクトを担当しています。入社時は臨床開発担当として腎領域を長く経験していましたが、現在の部署では複数の領域についての知識をつける必要があります。業務を実施しながら知識と経験を積むことは簡単ではありませんが、自分の引き出しを増やすことを意識しながら少しずつ経験値を上げていることを実感できるのは面白いものです。

学生時代の専攻と入社理由は?

学生時代は、分子細胞生物領域で生命工学を学びました。毎日、細胞を見ながら実験を繰り返し、いつか、医療に携わり人の役に立てる仕事をしたいとの思いは昔から変わらず、製薬会社を志望しました。新薬の開発の仕事は、製薬会社でなくても経験することはできますが、私が製薬会社にこだわったのは、患者さんの手に届いた時、その薬の開発に責任をもって関わったと言いたいのが大きな理由です。
協和キリンへの入社を決めたのは、面接時の面接官の雰囲気が温かく、家族のようだと感じたためです。私のバックグラウンドには薬学の知識はありませんでしたが、入社後に多くの信頼できる先輩方の指導のもと、同僚とともに仕事を進め、一緒に困難を乗り越え、育てていただいたおかげで現在の私があると感じています。

最も印象的なプロジェクトは?

2018年に承認、販売開始されたオルケディア錠の開発です。現在の部署に異動して最初に担当したプロジェクトで、それまでに培った腎領域の臨床開発担当経験を活かしながら、臨床開発、医療機関からの目線を意識して業務に臨みました。先輩社員に業務を教えていただきながらPhase1試験から承認申請までの全てを経験し、一部の試験はヨーロッパで実施され、そのデータの品質も保証できる手順作りなど、幅広く業務を経験しました。用量設定試験で想定と異なる傾向がみられた際は、どのように試験結果をまとめるのか、次試験への対策をどのようにするか等をプロジェクトメンバー全体で検討するなどの緊張感を味わいました。また、領域や試験デザインの特性から、試験品質の管理が難しくなる場面でも、メンバーが一丸となってスピードを落とさず対応し、全員でこの薬剤を世に送り出したいとの強い思いで承認を得たことは、とても印象深く、また一つ、思い入れのある薬剤として開発に携われたことを誇りに思います。

協和キリンの開発職の強み、魅力は?

協和キリンの開発職の中でも、私が所属するバイオメトリックス部は、チャレンジの機会が多いことが魅力だと感じています。業務内容が複雑であったり、グローバルスペシャリティファーマを目指すなかで海外の開発に関わる情報量も非常に多く、業務最適化を意識するには選択肢が多く悩むこともあります。しかし、Commitment to LifeにつながるInnovationとなる活動は積極的に行われていて、個人の意見は尊重され、具体的な活動展開への方策を提案することも可能です。私は、育児休職から復職してしばらくは時短勤務で業務を行っていましたが、データマネジメント担当に異動して早いうちからプロジェクトの主担当として業務を任せられたり海外出張も経験できました。働き方や、浅い経験でもサポートを受けながら、自分で制限をかけることなく、将来へのキャリアアップを目指すことができる環境であると思います。

目下取り組んでいる挑戦は?

現在、アジアを対象とした臨床試験が増えています。アジアにおいても、やはり承認申請データの品質を高め、保証するにはデータマネジメント業務の専門的知識が必要となります。そのため、海外開発拠点の臨床開発担当にデータマネジメントの観点でデータ品質の要となるものを伝え、業務に活かせるよう教育を行っています。まだ教育は始まったばかりですが、私が業務を通じて学んだノウハウを伝え、現地の臨床開発担当者が幅広く高度な知識を持つことで、それを活用してアジアでの臨床試験データの品質が向上でき、世界のより多くの患者さんの手に薬が届くように、日本からもサポートができると期待しています。

目指すキャリアは?

データマネジメント業務は多岐に渡り、またシステムをはじめさまざまな情報のアップデートが激しい分野です。これまでに部門で蓄積されたノウハウだけでなく、常に新しい情報を取り込み、より効率的で最適な方法、スピードで承認申請データをまとめ、1日でも早く患者さんの手に届けることが目標です。新薬の開発には、多くの部門、メンバーが関わっていて、プロジェクトマネジメント担当が統括し主導しますが、私はデータマネジメントの立場としてデータ品質に責任を持ちながら、臨床試験データをより適切に効率よく収集できるよう専門性を高め、開発のスピードアップに貢献していきたいと考えています。

開発職の社員たち

※社員の部署・役職は取材当時のものです。