本ニュースリリースは、本日発表した英文プレスリリースの内容を、日本語に翻訳、再構成し、発表しています。
本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことにご留意下さい。
原文(英文)については以下をご参照ください。
https://www.kyowakirin.com/media_center/news_releases/2026/e20260130_01.html![]()
協和キリン、ロカチンリマブの開発・商業化プログラムを再取得 アトピー性皮膚炎における高い医療ニーズへの強いコミットメントを表明
- 協和キリンは、画期的な作用機序を持つロカチンリマブの開発・商業化を推進
- 開発中のT細胞リバランス療法であるロカチンリマブは、病原性T細胞上に発現するOX40受容体を直接標的とする新規アプローチにより、中等症から重症のアトピー性皮膚炎 (msAD) 患者さんにおいて長期にわたる疾患のコントロールを実現する可能性
- 2026年上半期の規制当局への承認申請に向けて進行中
協和キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:Abdul Mullick、以下「協和キリン」)は本日、アムジェンとの現行のロカチンリマブ開発・商業化に関する提携契約を終了することを発表いたしました。協和キリンは、規制当局対応および将来の商業化を含む、ロカチンリマブのグローバルプログラムの全権を取得します。今回の事業判断ならびに契約終了は、アムジェン社の戦略的ポートフォリオの見直しに基づくものです。両社は、臨床開発プログラムに参加されている患者さんの治療継続を最優先に考え、円滑なプログラム移行を進めてまいります。なお、協和キリンと41年にわたり数多くの治験薬開発で協力関係にあるアムジェンは、引き続きロカチンリマブの製造を担当いたします。
協和キリンの代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)であるアブドゥル・マリックは、以下のように述べています。「中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんは、いつ症状が悪化するか予測できない慢性疾患と向き合っており、効果が長い期間持続する新しい治療法を求めています。協和キリンは、ロカチンリマブがこうした患者さんの重要なニーズに応えられると確信しています。ロカチンリマブの科学的知見と、OX40受容体を標的とする差別化された作用機序により、本剤は独自性の高い治療選択肢となり得ます。私たちは、これまで構築してきた強固な臨床開発プログラムをさらに進展させ、当社の豊富な臨床開発および事業面での専門性を活かして、一人でも多くの患者さんに笑顔を届けられるよう取り組んでまいります。本プログラムは、今後の協和キリンにとって重要かつ優先的な戦略事項です。」
2025年11月、約1,500名のmsAD成人患者を対象とした第3相ROCKET-IGNITE試験およびROCKET-HORIZON試験における画期的な知見が 『The Lancet』 誌1に掲載されました。両試験ともロカチンリマブ単剤療法で実施され、米国規制当局への申請要件であるrevised Investigator’s Global Assessment (rIGA) スコアにおいて 0 または 1 の達成 (vIGA-ADスコア 0(消失)または 1(ほぼ消失)であって、かろうじて認識できる程度の紅斑しか伴わない状態の達成と定義される)かつベースラインから2ポイント以上の改善を含む、すべての主要評価項目および重要な副次評価項目を達成しました。vIGA より厳格な定義に基づく有効性の尺度である rIGAスコア 0 または 1 のエンドポイントでは、患者さんがスコア1となるには、硬化、丘疹形成、または苔癬化を一切有さないことが条件とされました。既に発表している長期安全性を評価している継続投与試験ASCENDのトップラインデータの一次解析では、長期間投与における治療効果と、投与間隔を延長できる可能性が示されました。成人患者で最も多く報告された治療関連の有害事象 (いずれかのロカチンリマブ群で100人年あたり5件以上、かつプラセボ群を上回る頻度) は、上気道感染症(鼻咽頭炎、咽頭炎を含む)、口内炎(アフタ性潰瘍)、頭痛、インフルエンザ、咳、鼻炎でした。これらの事象は、これまでのROCKET試験でも同様に観察されており、安全性プロファイルの一貫性が確認されています。
ロカチンリマブは、協和キリンによって発見・開発されたもので、当社の免疫学および抗体工学における高い専門性を活用して研究開発を推進してきました。これは、当社の社内研究開発能力の高さと、慢性炎症性疾患の症状だけでなく、その根本的な原因にアプローチするサイエンスへの長期的な投資を反映しています。第3相ROCKETプログラムは、アトピー性皮膚炎を対象とした包括的な臨床開発プログラムであり、8つの主要試験で構成されています。本プログラムでは、長期的な有効性と安全性の両面を評価しています。本プログラムは、成人及び青少年、全身療法を受けたことの無い患者さん、生物学的製剤やJAK阻害剤による前治療歴のある患者さんを含む、多様な患者集団が含まれており、異なる罹患歴や治療歴があったとしても、アトピー性皮膚炎患者さんに対してロカチンリマブが新規かつ効果的な治療選択肢になる可能性を支持すると考えています。
協和キリンの取締役副社長 Chief Medical Officer である山下武美は次のように述べています。「これまでに得られたデータに基づくと、ロカチンリマブは3,300名以上の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者が組み入れられた第3相臨床試験プログラム全体を通じて、良好なベネフィット・リスクプロファイルを示しています。臨床的に意義のある持続的な効果をもたらす可能性は、特に既存の治療法でも症状が続いている患者さんにとって重要な意味を持つと考えられます。開発試験の進捗に伴い、ロカチンリマブの臨床プロファイルの評価を継続し、今後の医学系学術集会において本ROCKETプログラムからの追加データを発表できることを楽しみにしております。」
当社は、ロカチンリマブについてまず米国での規制当局への承認申請を計画しており、その後日本、そして適切な形で世界の他の市場へと展開してまいります。
- 参考文献:
- 1. Emma Guttman-Yassky, Kenji Kabashima, Margitta Worm, et al. Efficacy and safety of rocatinlimab for the treatment of moderate-to-severe atopic dermatitis in ROCKET-IGNITE and ROCKET-HORIZON: two global, double-blind, placebo-controlled, randomised phase 3 clinical trials. The Lancet. 2026; 407 (10523): 53-66, ISSN 0140-6736.
- ロカチンリマブ/ rocatinlimabについて
- ロカチンリマブは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の治療のために開発されている抗OX40ヒトモノクローナル抗体です。OX40(受容体型分子)を標的とすることで病原性のエフェクターT細胞およびメモリーT細胞を抑制および減少させる世界初かつ唯一のT細胞リバランス療法となる可能性があります。OX40は、アトピー性皮膚炎やその他の状態において全身および局所の炎症反応を促進する役割を持つ共刺激受容体です。 OX40を発現するエフェクターT細胞は、アトピー性皮膚炎患者の病変部位に存在し、疾患の病態生理学において重要な役割を果たしていることが報告されています。更に、結節性痒疹 や中等症から重症のコントロール不良な喘息、T細胞のインバランスが炎症の根本原因の一つとして考えられるその他の疾患に対しても研究・開発されています。初期の抗体は協和キリンの米国研究チームとラホヤ免疫研究所の共同研究により見いだされました。
ロカチンリマブは現在臨床開発の段階にあり、その安全性および有効性は米国FDAまたはその他の規制当局による評価を受けていません。
- 協和キリンについて
- 協和キリンは、Life-changingな価値をもつ新しい医薬品や治療法を創出し、患者さんへ届けることに真摯に取り組んでいます。日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、70 年以上にわたり医薬品の創出とバイオテクノロジーの革新に貢献してきました。現在、高いアンメットメディカルニーズを解決し得る次世代抗体および遺伝子細胞治療の開発に取り組んでいます。特に骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患、希少疾患の治療法の研究開発に注力し、また他領域で活用され得る研究成果についてはパートナーシップによる価値最大化を目指します。協和キリンは共通の価値観のもと、持続可能な成長を実現し、人々に笑顔をもたらすために尽力します。 https://www.kyowakirin.co.jp/index.html
