BridgeBioによる軟骨無形成症を対象とした経口薬infigratinibのグローバル第3相臨床試験「PROPEL 3」のデータについて
New England Journal of Medicine」誌掲載のお知らせ

本ニュースリリースは、本日発表した英文プレスリリースの内容を、日本語に翻訳、再構成し、発表しています。
本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことにご留意下さい。
原文(英文)については以下をご参照ください。
https://www.kyowakirin.com/media_center/news_releases/2026/e20260702_01.html別ウィンドウで開きます

協和キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:アブドゥル・マリック、以下「協和キリン」)は、本日、開発中のFGFR1-3経口阻害薬KK8398(infigratinib)の提携パートナーであるBridgeBio Pharma(以下「BridgeBio」)が、軟骨無形成症を対象としたinfigratinibのグローバル第3相臨床試験(PROPEL 3)の結果を、医学誌「New England Journal of MedicineNEJM)」に掲載したことをお知らせします。

本試験結果が医学誌であるNEJMに掲載されたことは、PROPEL 3試験の科学的厳密性および臨床的観点からの評価の一助となるものです。NEJMは、世界的に広く読まれ高い影響力を持つ査読付き医学雑誌の一つであり、掲載論文は臨床医学分野における重要な知見として広く参照されています。本結果は、軟骨無形成症に対する治療選択肢としてのinfigratinibの可能性を示唆するものです。PROPEL 3はプラセボ対照で2:1に無作為化され、1年間にわたりグローバル(日本を除く)で実施されたピボタル試験であり、骨端線閉鎖を伴わない3歳から18歳未満の小児軟骨無形成症患者を対象に、infigratinibの有効性および安全性を評価しています。

BridgeBioによる本件に関するニュースリリースは別途公表されており(こちら別ウィンドウで開きます)、本試験の結果はNEJMへの掲載とともに、International Congress of Children’s Bone Health(ICCBH)2026において、Late-Breaking Oral Presentationとしても発表されています。

NEJMで公表されたPROPEL 3試験の主な結果(BridgeBio報告)
  • PROPEL 3試験は、主要評価項目である年間身長成長速度(annualized height velocity:AHV)のベースラインからの変化を達成し、プラセボ群に対するLS平均差は+1.74cm/年(p<0.0001)と報告されています。また、観測平均差は+2.10cm/年(p<0.0001)であり、いずれも軟骨無形成症における第3相臨床試験として最大の差であったと報告されています。
  • 主要な副次評価項目である身長Zスコア(軟骨無形成症参照集団)については、52週時点においてベースラインからの変化を達成し、投与群におけるLS平均は+0.41SDであったと報告されています(p<0.0001)。
  • 事前に規定された探索的解析において、経口infigratinibは、軟骨無形成症においてプラセボ群と比較した身体比率に関する差を初めて統計学的に示したとされており、8歳未満の小児(全体の50%超)において、LS平均差は−0.05(p<0.05)であったと報告されています。
  • 安全性について、BridgeBioは以下の通り報告しています:
    • 試験薬に関連する中止例は認められなかった
    • 試験薬に関連する重篤な有害事象は認められなかった
    • 高リン血症は3例(4%)に認められ、いずれも軽度、一過性、無症候性であり、減量や中止を要しなかった
    • FGFR1またはFGFR2阻害に関連する有害事象(例:網膜・角膜関連)は認められなかった
  • さらに、ICCBH2026で発表された追加データとして、腕長Zスコアにおいてプラセボ群と比較した差(+0.37SD、p<0.0001)が報告されており、52週時点において、軟骨無形成症患者を対象としたプラセボ対照試験において腕長の統計学的に有意な差が示された初めての結果であるとされています。

また、BridgeBioは今回の結果を踏まえ、2026年第3四半期に米国における新薬承認申請(NDA)を行う意向を示しており、2027年前半から中頃の上市を見込んでいます。また、欧州においては、2026年後半に販売承認申請(MAA)を行う予定です。

協和キリンは、2024年2月に国内における骨系統疾患を対象としたinfigratinibの開発および販売に関する独占的ライセンスをBridgeBioより取得し、2025年11月よりKK8398(infigratinib)を用いた軟骨無形成症患者を対象とした同様のプログラムである第3相臨床試験「AOBA試験」(jRCT2031240562別ウィンドウで開きます)を日本でも開始しています。本試験では、日本人患者における有効性および安全性を評価し、国内における新たな経口治療という選択肢の提供を目指します。これまでに蓄積されたグローバルでの知見を踏まえつつ、日本の医療環境に即した臨床データの取得を進めていく計画です。

協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

KK8398(infigratinib)について
KK8398(infigratinib)は、FGFR1-3を選択的に阻害する低分子経口薬です。現在、BridgeBio Pharma社により軟骨無形成症患者を対象とした国際共同第3相臨床試験が実施されています。日本国内においては、骨系統疾患を対象とした開発および販売に関する独占的ライセンスが協和キリン株式会社に付与されています。
軟骨無形成症について
低身長を示す代表的な遺伝性疾患である軟骨無形成症はおよそ2万出生に1人の割合で発症し、米国およびEUで約55,000人、日本でもおよそ6,000人が罹患しているとされています。軟骨無形成症は、患者さんの健康状態及び生活の質に影響を及ぼし、低身長、大後頭孔狭窄、脳室拡大、脊柱管狭窄症、脊椎後弯、閉塞性睡眠時無呼吸、呼吸症状、中耳炎、難聴、歯科不整、四肢合併症、肥満等の様々な合併症をきたします。本症の97%以上にFGFR3の活性化変異が認められ、この活性化変異により軟骨細胞の分化、軟骨基質の産生および増殖が抑制され、内軟骨性骨化が障害されることで軟骨無形成症を発症すると考えられています。
協和キリン株式会社について
協和キリンは、Life-changingな価値をもつ新しい医薬品や治療法を創出し、患者さんへ届けることに真摯に取り組んでいます。日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、70年以上にわたり医薬品の創出とバイオテクノロジーの革新に貢献してきました。現在、高いアンメットメディカルニーズを解決し得る次世代抗体および遺伝子細胞治療の開発に取り組んでいます。特に骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患、希少疾患の治療法の研究開発に注力し、また他領域で活用され得る研究成果についてはパートナーシップによる価値最大化を目指します。協和キリンは共通の価値観のもと、持続可能な成長を実現し、人々に笑顔をもたらすために尽力します。 https://www.kyowakirin.co.jp/index.html