小野薬品、ブリストル・マイヤーズスクイブ、協和発酵キリンオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とモガムリズマブとの進行期固形がんにおける腫瘍免疫療法に関する開発提携契約の締結について

小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下「小野薬品」)とブリストル・マイヤーズスクイブ社(本社:米国・ニューヨーク、CEO:ランベルト・アンドレオッティ、以下「BMS社」)、および協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、PD-1免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と抗CCR4抗体モガムリズマブについて、日本における両剤の併用療法に関する第Ⅰ相臨床試験の開発提携契約を締結しましたのでお知らせします。本試験は、進行あるいは転移した固形がん患者さんに対する新たな治療の選択肢の可能性を探るために、両剤の併用療法の安全性、忍容性および抗腫瘍作用の検討を行うものです。

オプジーボは、根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として2014年9月に日本で発売され、現在、グローバルでさまざまながん腫を対象に50以上の臨床試験が実施されています。モガムリズマブは日本において、2012年5月に再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞性白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として発売され、2014年5月に再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の適応が追加されました。モガムリズマブは現在、US、EU、その他の国々において、ATL、PTCLおよびCTCLを対象とした臨床試験が進行中です。

オプジーボとモガムリズマブは、腫瘍免疫療法として知られている新たなクラスのがん治療薬として期待されています。腫瘍免疫療法とは、生体自身の自己免疫システムを制御することによりがん細胞の駆逐を試みる治療法です。オプジーボは、活性化T細胞に発現するチェックポイント受容体のPD-1(programmed death-1)に結合するヒト型PD-1免疫チェックポイント阻害薬で、がん細胞が免疫細胞の攻撃から身を守るために悪用する制御経路をブロックして、免疫細胞 ががん細胞を攻撃できるようにします。一方、モガムリズマブはがん細胞を保護する免疫細胞を抑制します。両剤の前臨床段階でのエビデンスは、それぞれの単剤療法と比較して、併用療法により抗腫瘍免疫活性が向上する可能性があることを示唆しています。

小野薬品の取締役副社長執行役員開発本部長粟田浩は次のように述べています。「腫瘍免疫療法の併用は既存の治療薬と比較して優れた治療効果を示す可能性を有しており、協和発酵キリンとの開発提携にてその可能性を追求できることを大変嬉しく思います。オプジーボとモガムリズマブの併用療法は科学的に興味深いものであり、がん患者さんの新たな治療選択肢につながるものと期待しています」。

BMS社腫瘍領域担当シニア・バイスプレジデント兼開発責任者マイケル・ジョルダーノは次のように述べています。「小野薬品、協和発酵キリンとの共同開発は、オプジーボの広範な臨床開発プログラムをさらに補強し、オプジーボとモガムリズマブの併用療法に対する理解を深めるものです。今回の開発提携は、転移性のがん患者さんのために腫瘍免疫併用療法を開発する私たちの取り組みの一例です」。

協和発酵キリンの常務執行役員研究開発本部長佐藤洋一は次のように述べています。「今回、腫瘍免疫療法に関して小野薬品とBMS社の両社と提携することは、私たち協和発酵キリンにとって非常に光栄です。現在計画している併用の臨床試験が、既存の進行期固形がんの治療に比べより素晴らしい価値を生み出すことを願っています」。

なお、今回の開発提携契約に基づき実施される両剤の併用療法に関する第Ⅰ相臨床試験は、小野薬品と協和発酵キリンが行います。その他の詳細については、開示していません。

オプジーボ(ニボルマブ)について
がん細胞は、免疫細胞の攻撃からのがれるために、チェックポイント経路などの「制御」経路を悪用することがあります。オプジーボは、活性化T細胞に発現するチェックポイント受容体のPD-1(programmed death-1)に結合するヒト型PD-1免疫チェックポイント阻害薬です。オプジーボは、単剤もしくは他剤との併用療法としてさまざまながん腫を対象とした50以上の臨床試験を全世界で実施しており、7,000名以上の患者さんが臨床試験に参加されています。これらの臨床試験には、非小細胞肺がん(NSCLC)、悪性黒色腫、腎細胞がん(RCC)、頭頸部がん、膠芽腫、および非ホジキンリンパ腫に関する承認申請資料として利用される可能性がある複数の臨床試験が含まれています。2012年には、NSCLC、悪性黒色腫、RCCにおいて、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック(優先承認審査)の指定を受けました。2014年4月、BMS社は、3次治療の肺扁平上皮がん(NSCLC)に関し、段階的申請を開始しました。申請は、年末までに完了する見込みです。2014年5月には、自家幹細胞移植やブレンツキシマブベドチン治療が奏効しなかったホジキンリンパ腫において、FDAよりブレークスルーセラピー(画期的治療薬)の指定を受けました。小野薬品は、7月4日に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として、日本でオプジーボの製造販売承認を取得したこと、そして9月2日に新発売したことを発表しました。これにより、オプジーボは、世界で初めて規制当局の承認を取得し、発売されたPD-1免疫チェックポイント阻害薬となりました。9月26日、BMS社は、FDAが同薬の生物学的製剤承認申請(BLA)について、治療歴を有する進行期悪性黒色腫に関して優先審査の対象として受理したことを発表しました。処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく目標期日は、2015年3月30日です。また、同適応に関し、FDAよりブレークスルーセラピーの指定を受けました。欧州連合(EU)においては、欧州医薬品庁(EMA)が進行期悪性黒色腫におけるオプジーボの販売承認申請(MAA)を受理しました。この申請については、すでにEMAの医薬品委員会(CHMP)による迅速評価の対象に指定されています。また、EMAは、NSCLCに関しても販売承認申請(MAA)を受理しました。
モガムリズマブについて
モガムリズマブ(製品名:ポテリジオ®点滴静注20mg)は、CCR4を標的としたヒト化モノクローナル抗体で、協和発酵キリン独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT®(ポテリジェント)」が応用されています。モガムリズマブは抗体依存性細胞傷害活性により標的細胞を殺傷することで効果を発揮するよう設計されており、再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として、2012年5月から協和発酵キリンが国内で販売しています。また、2014年3月に再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の適応追加承認を取得しています。さらに欧米など海外でも複数の臨床試験を実施しています。
小野薬品について
小野薬品は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業です。糖尿病領域とがん領域に特に注力しています。詳細については、http://www.ono.co.jpをご覧ください。
ブリストル・マイヤーズスクイブ社について
ブリストル・マイヤーズスクイブ社は、重篤な疾患を持つ患者さんを治療するための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的な製薬企業です。詳細については、www.bms.com米国本社のウェブサイト(英語)またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。
ブリストル・マイヤーズスクイブ社と小野薬品の提携について
2011年、ブリストル・マイヤーズスクイブ社は、小野薬品と締結した提携契約により、当時、小野薬品がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズスクイブ社と小野薬品は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
協和発酵キリンについて
協和発酵キリンは、がん、腎、免疫疾患を中心とした領域で、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使して、画期的な新薬を継続的に創出し、開発・販売をグローバルに展開することにより、世界の人々の健康と豊かさに貢献する、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとなることを事業ビジョンとしています。詳細はhttp://www.kyowa-kirin.co.jpをご覧ください。
ブリストル・マイヤーズスクイブ社の将来予測等に関する記述
本プレスリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボが米国で規制当局の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズスクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズスクイブ社の2013年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズスクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。

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ブリストル・マイヤーズスクイブ社
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協和発酵キリン株式会社
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