遺伝子組換えアンチトロンビン製剤「アコアラン® 静注用1800」の国内承認申請について

協和発酵キリン株式会社(本社:東京、社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、本日、「アコアラン®静注用1800」(一般名:アンチトロンビンガンマ)の国内医薬品製造販売承認を厚生労働省へ申請しましたのでお知らせいたします。

本剤は遺伝子組換えアンチトロンビン注1製剤で、血液の凝固作用を阻害します。既に「アコアラン®静注用600」が「先天性アンチトロンビン欠乏(CAD)注2に基づく血栓形成傾向」および「アンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)注3」を適応症として2015年7月3日に国内医薬品製造販売承認を取得しております。

今回の承認申請は、600 IUのみである現在の含量規格に1800 IUを追加するものです。含量規格の追加により、投薬作業時間の効率化が期待されています。また、今回の承認申請と併せて、本剤の貯法を冷暗所保存から他の血漿由来アンチトロンビン製剤と同様の室温保存へ変更するなどの一部変更承認についても申請しています。

なお、協和発酵キリンと一般社団法人 日本血液製剤機構(本社: 東京都港区、理事長:石川 隆英、以下「JB」)は販売委受託契約を締結しており、本剤の販売および医療機関への情報提供活動はJBが担当しています。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • 注1.アンチトロンビン(Antithrombin)
    血液凝固因子であるトロンビン、活性化第X因子などのセリンプロテアーゼと結合し凝固作用を阻害するセリンプロテアーゼインヒビターであり、肝臓および血管内皮細胞で産生される分子量約6万の一本鎖糖タンパクです。
  • 注2.先天性アンチトロンビン欠乏症(CAD:Congenital Antithrombin Deficiency)
    遺伝子疾患であり、若年からの反復性血栓症が特徴的です。アンチトロンビン欠乏状態が存続し抗凝固活性低下を常態とするため、通常では血栓形成に至らないような軽微な誘因によっても血栓症が発症します。
  • 注3.播種性血管内凝固症候群(DIC:Disseminated Intravascular Coagulation)
    がん、敗血症などの重症感染症、白血病・悪性リンパ腫、胎盤早期剥離などの病気に伴ってみられることがあります。全身の細小血管内で血液が固まりやすくなり、血栓をつくり、腎臓、肝臓、脳などで血液の流れがさまたげられる結果、これらの臓器の障害が起こります。血栓が多発すると、血栓形成のために血小板、凝固因子が消費され、止血のための血栓ができなくなります。また、多発した血栓を溶解させようとするからだの反応が亢進し、出血する状態になります。
トップへ戻る