パーキンソン病を対象としたイストラデフィリン(KW-6002)の第3相国際共同試験の速報結果のお知らせ

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、イストラデフィリン(一般名、開発コード:KW-6002)のパーキンソン病※1を対象とした欧米での第3相国際共同試験において、速報結果を得ましたのでお知らせいたします。

本試験は、レボドパ製剤※2で治療中のウェアリングオフ現象※3を発現した中等度から重度のパーキンソン病患者さんを対象にKW-6002の2用量(1日1回20mgまたは1日1回40mgの12週間投与)における有効性をプラセボと比較検証し、安全性を評価しました。主要評価項目である1日オフ時間のベースラインからの変化(減少)は、全評価期間にわたり、本剤投与群でプラセボ群よりも大きかったものの、投与開始後12週時点では統計学的に有意な差は認められませんでした。安全性については、有害事象発現割合などから、本剤1日1回20mgおよび40mgの忍容性が確認されました。

協和発酵キリンは、引き続き副次評価項目を含めた本試験結果の詳細な解析を行い、今後の学術会議等で発表する予定です。また、FDAとの議論を行い、米国における再申請の可能性について検討してまいります。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

第3相国際共同試験の概要

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デザイン プラセボ対照、二重盲検、無作為化、多国籍多施設共同試験
対象 レボドパ製剤で治療中のウェアリングオフ現象を発現した中等度から重度のパーキンソン病患者、609例
施設数 8ヵ国、89施設
用量/投与期間 イストラデフィリン20mg、40mg、プラセボ/1日1回12週間経口投与
主要評価項目 1日オフ時間のベースラインからの変化
  • ※1パーキンソン病
    パーキンソン病は、動作遅延、硬直、振戦や不安定などの動作症状を特徴とする進行性の神経変性疾患です。原因は中脳の黒質線条体という部分の進行性変性で、脳内でドパミンという物質の不足が起こります。
  • ※2レボドパ製剤
    パーキンソン病は脳内のドパミン不足によって生じるため、脳内にドパミンを補充することで症状が改善されます。その際、レボドパ(L-dopa、L-ドパ)製剤の服用で、脳内でレボドパがドパミンへと変わるため、脳内で不足しているドパミンが補充されます。
  • ※3ウェアリングオフ現象(日本神経学会「パーキンソン病治療ガイドライン」から一部引用)
    レボドパ製剤の薬効時間が短縮し、服用後数時間を経過するとその効果が消退する現象のことです。
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