皮膚T細胞リンパ腫を対象としたモガムリズマブ(KW-0761)の第3相臨床試験結果について

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、皮膚T細胞性リンパ腫※1(Cutaneous T-cell Lymphoma : CTCL)を対象として実施していたモガムリズマブ(KW-0761)※2の国際共同第3相臨床試験(MAVORIC : Mogamulizumab anti-CCR4 Antibody Versus ComparatOR ICTCL)が、主要評価項目を達成したことをお知らせします。

MAVORIC試験は、米国、欧州、日本、豪州で実施された多施設ランダム化オープン比較試験で、372名の再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫患者さんを対象にモガムリズマブの有効性と安全性を対照薬であるボリノスタットと比較しました。その結果、モガムリズマブ群は対照(ボリノスタット)群と比較して統計学的に有意に主要評価項目である無増悪生存期間を改善したことが示され、モガムリズマブの安全性も忍容可能なものでした。

本試験結果の詳細については、引き続き解析し、今後の学術会議や医学雑誌などで発表する予定です。またモガムリズマブのCTCLに対する販売承認取得に向け、各国規制当局との協議を2017年中に開始する予定です。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • ※1:皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)について
    CTCLは、非ホジキンリンパ腫の中でも比較的まれなタイプで、悪性のTリンパ球が皮膚に局在化することが特徴です。CTCLは、病期によって、菌状息肉腫(MF)やセザリー症候群(SS)に分類され、皮膚や血液、リンパ節、内臓、その他の組織に病変が現れます。
  • ※2:モガムリズマブ(KW-0761)について
    モガムリズマブはCCケモカイン受容体4(CCR4)を標的とするヒト化モノクローナル抗体です。CCR4はCTCLを含めた特定の血液がん細胞に頻繁に発現しています。モガムリズマブは抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)増強に関連する協和発酵キリンの技術(POTELLIGENT®)を用いて製造され、2012年3月より日本で、再発性もしくは難治性CCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として世界で初めて販売承認されています(商品名:POTELIGEO®)。さらにモガムリズマブは日本で、再発又は難治性CCR4陽性末梢T細胞リンパ腫(PTCL)およびCTCLの治療薬として(2014年3月)、また、化学療法未治療のCCR4陽性ATLの治療薬として(2014年12月)適応追加承認を取得しています。
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