HTLV-1関連脊髄症を対象としたモガムリズマブの第3相臨床試験を日本で開始

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、HTLV-1関連脊髄症を対象としたモガムリズマブ(開発コード:KW-0761)※1の第3相臨床試験を日本で開始しました。

HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1 associated myelopathy:HAM)は、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)に感染したTリンパ球が脊髄中で炎症を引き起こすことが原因と考えられており、歩行困難、しびれ感、排尿困難や便秘などの症状が現われ、徐々に進行する疾患です。2010年に実施された疫学調査では、国内で約3,000名の患者さんがいると推定されており、日本では指定難病※2に位置づけられています。

モガムリズマブはCCケモカイン受容体4(CCR4)を標的とするヒト化モノクローナル抗体です。モガムリズマブが有するADCC活性により、疾患の原因と考えられているHTLV-1に感染したCCR4陽性Tリンパ球を除去することで、HAM患者さんの症状が軽減されることが期待されています。

協和発酵キリンは、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター山野嘉久医師による医師主導臨床試験(第1/2a相臨床試験(終了)及び長期投与試験(継続中))の結果を受け、この度、第3相臨床試験の実施を決定しました。本試験は、HAMの患者さんにおいて、モガムリズマブを投与したときの有効性と安全性を評価します。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

本試験の概要

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対象疾患 HTLV-1関連脊髄症(HAM)
試験デザイン プラセボ対照ランダム化二重盲検比較及び非盲検試験
目標被験者数 52名
主要評価項目 納の運動障害重症度(OMDS:Osame's Motor Disability Score)の改善
公開情報 JAPIC(日本語):JapicCTI-173608別ウィンドウで開きます
Clinicaltrials.gov(英語):NCT03191526別ウィンドウで開きます
  • ※1:モガムリズマブ(KW-0761)について
    モガムリズマブはCCケモカイン受容体4(CCR4)を標的とするヒト化モノクローナル抗体です。CCR4は特定の血液がん細胞に頻繁に発現している他、HTLV-1が感染するTリンパ球にも発現しています。モガムリズマブはADCC活性増強に関連する協和発酵キリンの技術(POTELLIGENT®)を用いて製造され、2012年3月より日本で、再発性もしくは難治性CCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として世界で初めて販売承認されています(製品名:ポテリジオ®)。さらにモガムリズマブは日本で、再発又は難治性CCR4陽性末梢T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療薬として(2014年3月)、また、化学療法未治療のCCR4陽性ATLの治療薬として(2014年12月)適応追加承認を取得しています。
  • ※2:指定難病について
    2014年5月に成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律」第5条に規定されている医療費助成の対象となる疾患です。患者さんの置かれている状況からみて、良質かつ適切な医療を確保する必要性が高いものとして厚生科学審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定します。
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