体軸性脊椎関節炎を対象としたブロダルマブ(KHK4827)の第3相臨床試験結果と欧州リウマチ学会(EULAR)での発表について

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本昌志、以下「協和発酵キリン」)は、体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎及びX線陰性体軸性脊椎関節炎)注1を対象としたブロダルマブ(KHK4827)注2の第3相臨床試験について、投与16週時点において有効性及び安全性のいずれについても良好な結果が得られたこと、並びに同試験成績を6月12~15日開催の欧州リウマチ学会(EULAR、マドリッド)にて口頭発表したことをお知らせします。

欧州リウマチ学会2019 口頭発表 番号:OP0234
演題:Efficacy and safety of brodalumab, an anti-interleukin-17 receptor A monoclonal antibody, in patients with axial spondyloarthritis: A 16 week results of a phase 3, multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled study.
(インターロイキン17受容体A抗体ブロダルマブの体軸性脊椎関節炎患者に対する有効性及び安全性:第3相多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験における16週の結果)

本試験は、体軸性脊椎関節炎患者を対象に日本、韓国及び台湾で実施した第3相国際共同試験で、159人の被験者がブロダルマブ群又はプラセボ群に1:1で無作為に割り付けられました(ブロダルマブ群: N=80、プラセボ群: N=79)。主要評価項目は、投与16週時点でAssessment of SpondyloArthritis international Society(ASAS) 40注3を達成した体軸性脊椎関節炎被験者の割合としました。

本試験において、投与16週時点のASAS 40達成割合はブロダルマブ群で43.8%(n=35、95%信頼区間: 32.7, 55.3)、プラセボ群で24.1%(n=19、95%信頼区間: 15.1, 35.0)であり、ブロダルマブ群はプラセボ群と比較して有意に高いASAS 40達成割合を示しました(p<0.05)。また、強直性脊椎炎被験者(N=125)及びX線陰性体軸性脊椎関節炎被験者(N=33)においても、体軸性脊椎関節炎被験者と同様にブロダルマブ群でプラセボ群に比べてASAS 40達成割合が高い傾向が確認されました。ブロダルマブ群とプラセボ群の間で、安全性上の明らかな差異は認められませんでした。

以上の結果より、ブロダルマブの体軸性脊椎関節炎に対する有効性及び16週までの安全性が確認されました。

本試験結果に基づき、協和発酵キリンはブロダルマブについて、体軸性脊椎関節炎に対する追加効能の取得に向けて承認申請を行う予定です。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

本試験の概要
対象疾患 体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎及びX線陰性体軸性脊椎関節炎)
試験の相 第3相
デザイン 国際共同無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験及び非盲検継続試験
試験期間 68週間(16週間の二重盲検比較期+52週間の非盲検継続投与期)
投与群 ブロダルマブ群、プラセボ群
用法・用量 210 mg, 2週間一回、反復皮下投与
主要評価項目 体軸性脊椎関節炎被験者におけるWeek 16のASAS 40達成
実施地域 日本、韓国、台湾
  • 注1: 体軸性脊椎関節炎
    主に仙腸関節や脊椎・四肢(大関節)の腱付着部に原因不明の慢性炎症を来たす進行性の自己免疫疾患であり、仙腸関節にX 線所見を認める強直性脊椎炎と、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(X線陰性体軸性脊椎関節炎)に大別されます。
  • 注2: ブロダルマブ(KHK4827)
    インターロイキン(IL)-17受容体Aに対する完全ヒト抗体であり、IL-17受容体Aに特異的に結合することにより炎症性サイトカインであるIL-17A、IL-17A/F、IL-17F、IL-17C等の機能を阻害します。既存療法で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を適応症として2016年7月に世界に先駆けて日本で承認を取得しています。
  • 注3: Assessment of SpondyloArthritis international Society(ASAS) 40
    国際脊椎関節炎評価学会(ASAS)で作成された指標であり、患者の全般評価、脊椎痛、身体機能、炎症の4 評価項目のうち少なくとも3 項目において、ベースラインと比較して40%以上の改善、かつ2 単位(0~10 スケールの場合)以上の絶対的改善を認め、残りの1 評価項目で悪化が認められない場合にASAS 40を達成したとみなされます。
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