KW-3357の妊娠高血圧腎症を対象とした国内第3相臨床試験開始のお知らせ
協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、KW-3357(一般名:アンチトロンビン注1ガンマ(遺伝子組換え)、製品名:アコアラン)の妊娠高血圧腎症注2を対象とした国内第3相臨床試験を開始しましたので、お知らせします。
本試験は、早発型重症妊娠高血圧腎症の患者さんを対象とした国内第3相臨床試験で、KW-3357またはプラセボを投与したときの有効性と安全性を評価します。
KW-3357は、組換えDNA技術および糖鎖制御技術を用いて作製した、ヒト天然型アンチトロンビン(AT)と同一のアミノ酸配列かつ同じタイプの糖鎖構造を持つ遺伝子組換えAT製剤です。ATは、血液凝固に関与するタンパク分解酵素と複合体を形成することで、凝固作用を阻害します。KW-3357は2015年7月に「先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向」および「アンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)」を適応症とした承認を取得し、「アコアラン」という製品名で販売されています。
なお、協和キリンと一般社団法人 日本血液製剤機構(本社: 東京都港区、理事長:石川 隆英、以下「JB」)は販売委受託契約を締結しており、アコアランの販売および医療機関への情報提供活動はJBが担当しています。
協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。
〈本試験の概要〉
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対象疾患 | 早発型重症妊娠高血圧腎症 |
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試験の相 | 第3相 |
デザイン | 多施設共同ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験 |
投与群 | KW-3357群、プラセボ群 |
主要評価項目 | 妊娠継続期間 |
予定被験者数 | 180名 |
実施地域 | 日本 |
- 注1アンチトロンビン(AT:Antithrombin)
- 血液凝固因子であるトロンビン,活性化第X因子などのセリンプロテアーゼと結合し凝固作用を阻害するセリンプロテアーゼインヒビターであり、肝臓および血管内皮細胞で産生される分子量約6万の一本鎖糖タンパクです。
- 注2妊娠高血圧腎症
- 妊娠高血圧腎症とは、妊娠20週以降に初めて高血圧を発症し、かつ、蛋白尿又は他の臓器障害を伴い、分娩12週までに正常に復するもの、または妊娠20週以降に初めて高血圧を発症し、子宮胎盤機能不全を伴うものと定義されます。母体への影響はもちろんのこと、胎児発育にも影響を与える疾患です。一旦発症し重症化した場合には治療は難しく、分娩させることしか方法がありませんが、早期での発症、特に胎児発育不全を合併する場合には胎児の予後を考えるとすぐに分娩させることもできず、妊娠継続を図りながら母児を厳重に管理することとなります。