パーキンソン病治療剤イストラデフィリンの欧州における承認申請受理のお知らせ
協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、イストラデフィリン(一般名、開発コード:KW-6002)※1について、「ウェアリングオフ現象※2を有する成人パーキンソン病※3患者におけるレボドパ含有製剤との併用療法」を適応症として、欧州医薬品庁(EMA)にて販売承認申請が受理され、審査が開始されたことをお知らせします。
今回の新薬承認申請は、レボドパ療法により、ウェアリングオフ現象を有するパーキンソン病患者を対象とした多施設共同・無作為化・二重盲検プラセボ対照試験の結果に基づいています。
イストラデフィリンは、協和キリンが創製したアデノシンA2A受容体※4に対する選択的な拮抗薬です。協和キリンは、2019年8月の米国承認に続き、ヨーロッパにおいてもパーキンソン病におけるレボドパ含有製剤との併用療法の新たな選択肢としてイストラデフィリンが治療の幅を広げることができるものと期待しております。
協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。
- ※1イストラデフィリンについて
- イストラデフィリンは、協和キリンが創製したアデノシンA2A受容体に対する選択的な拮抗薬です。日本国内では「ノウリアスト®」という製品名で、「レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるウェアリングオフ現象の改善」を効能・効果として、2013年3月に承認を得ております。米国では「NOURIANZ™」という製品名で、「ウェアリングオフ現象を有する成人パーキンソン病患者におけるレボドパ/カルビドパとの併用療法」を効能・効果として、2019年8月に承認を得ています。
- ※2ウェアリングオフ現象(日本神経学会「パーキンソン病治療ガイドライン」から一部引用)
- レボドパ製剤の薬効時間が短縮し、服用後数時間を経過するとその効果が消退する現象のことです。
- ※3パーキンソン病
- パーキンソン病は、動作遅延、硬直、振戦や不安定などの動作症状を特徴とする進行性の神経変性疾患です。原因は中脳の黒質線条体という部分の進行性変性で、脳内でドパミンという物質の不足が起こります。
- ※4アデノシンA2A受容体
- 生体内物質であるアデノシンに対する受容体の一つで、Gタンパク共役型受容体(GPCR)に分類されます。脳内ではパーキンソン病において変性や異常が認められる大脳基底核に分布し、運動機能の調節に関与していると考えられています。