米国におけるCrysvita® (burosumab)の腫瘍性骨軟化症(TIO)の適応追加申請に関するお知らせ

本ニュースリリースは、当社と米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカルが発表した英文プレスリリースの内容を、当社が日本語に翻訳、再構成し、発表しています。本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことをご留意下さい。
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協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)とウルトラジェニクス・ファーマシューティカル(米国カリフォルニア州ノバト、CEO:エミール・D・カキス、以下「ウルトラジェニクス」)はCrysvita (burosumab)について、腫瘍切除不能または腫瘍の同定が困難な腫瘍性骨軟化症(FGF23関連低リン血症)を適応症として米国食品医薬品局(FDA)に生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を2019年12月18日に行ったことをお知らせいたします。なお、FDAによる本申請の受理および審査開始は2020年2月となる予定です。

本申請には、ウルトラジェニクスが米国において14名の成人患者に対して144週の期間で実施した第2相試験と、協和キリンが日本および韓国において13名の成人患者に対して88週の期間で実施した第2相試験のデータが用いられています。いずれの試験においても、Crysvitaの投与により血清リン濃度および血清1,25‐ジヒドロキシビタミンD濃度が上昇し、骨軟化症症状や運動機能、活動性の改善がみられました。また、Crysvita投与中には骨折の治癒や新たな骨折の減少が認められました。本試験で認められた有害事象は、総じて被験者の疾患そのものに関連したものが多く、重篤な副作用は認められませんでした。

米国において、本剤は成人および6か月以上の小児のX染色体連鎖性低リン血症(XLH)を適応症としてFDAより承認を取得しています。また、カナダやブラジルにおいて成人および1歳以上の小児のXLHを適応症としてそれぞれの当局に承認されています。日本においてはFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を適応症として医薬品製造販売承認を取得しており、腫瘍性骨軟化症はこの適応症に含まれています。欧州においては、X線画像診断で骨疾患所見を有し、成長期にある1歳以上の小児および青少年におけるXLHの治療薬として欧州委員会(European Commission)から条件付き医薬品販売承認を取得しており、現在はXLHの成人患者を適応とする追加の承認申請を欧州医薬品庁(EMA)が審査中です。

腫瘍性骨軟化症(TIO)とは
TIOはFGF23を過剰分泌する一般的には良性の腫瘍や皮膚病変により生じるもので、尿中への過剰なリン排泄を引き起こすことにより、重篤な低リン血症や骨軟化症、筋力低下、疲労、骨痛、骨折を引き起こします。これらの症状は原因となる腫瘍や病変を切除すれば急速に改善しますが、摘出が不可能な場合や摘出しても再発する場合があります。切除不能な腫瘍や病変の場合、現在はリン酸製剤やビタミンD製剤による治療が行われていますが、この治療法は疾患そのものに作用するものではなく、また腎臓の石灰化や高カルシウム血症を引き起こすリスクを踏まえて行う必要があるため、治療効果は限定的です。米国ではTIOの患者さんは500から1,000名程度存在し、その内の半数は切除不能と推定されています。
Crysvita (burosumab)について
Crysvitaは協和キリンにより創製されたFGF23に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体です。FGF23は、腎臓におけるリン排泄と活性型ビタミンD産生を制御することで、血清リンおよび活性型ビタミンD濃度を低下させる液性因子です。XLH(X染色体連鎖性低リン血症)およびTIO患者さんにおけるリン排泄亢進はFGF23の過剰な作用により引き起こされています。Crysvitaは、TIOおよびXLHを含む他の低リン血症の患者さんにおけるFGF23の過剰な作用を阻害することで、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウムの吸収を促進するビタミンDの産生を増加させます。
協和キリンとウルトラジェニクスとの間で締結した協業およびライセンス契約に基づき、協和キリンおよびウルトラジェニクスは、共同で本剤のグローバルな開発および販売に取り組んでいます。
ウルトラジェニクス・ファーマシューティカルについて
2010年に設立されたバイオ医薬品企業で、重篤な希少疾病や超希少疾病の治療薬となりうる新規製品の臨床開発と販売を行っています。同社は、承認された治療法がなく、治療メカニズムが明らかで、医療ニーズが高い疾病に対する医薬品開発を目指し、これまで多様なポートフォリオを構築してきました。同社の経営陣は、希少疾患治療薬の開発と販売関する経験を有しています。同社の戦略は、緊急性の高い患者さんに安全かつ効果的な治療法を提供するため、時間と費用の両面での効率性を追求しています。同社の詳細な情報はこちらのHPをご参照ください。
http://www.ultragenyx.com/別ウィンドウで開きます
協和キリンについて
協和キリンは、がん、腎、免疫疾患を中心とした領域で、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使して、画期的な新薬を継続的に創出し、開発・販売をグローバルに展開することにより、世界の人々の健康と豊かさに貢献する、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとなることを事業ビジョンとしています。詳細は
https://www.kyowakirin.co.jp/をご覧ください。
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