ジーラスタ®の自動投与デバイスに関する国内臨床試験開始のお知らせ

協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、ジーラスタ®(開発コード:KRN125、一般名:ペグフィルグラスチム)注1の自動投与デバイスに関する国内臨床試験を本年2月19日に開始しましたのでお知らせいたします。

ジーラスタはキリン・アムジェン社注2より導入した持続型のG-CSF製剤注3です。がん化学療法による発熱性好中球減少症注4の発症抑制を適応症とし2014年より日本にて販売している製品で、がん化学療法を行った翌日以降に医療機関にて投与が行われています。ジーラスタが翌日に自動投与される仕組みを搭載した本デバイスをがん化学療法と同日に使用することにより、ジーラスタ投与のための通院が不要となり、患者の通院負担、さらには医療従事者の負担の軽減にもつながることを期待しております。

本臨床試験は安全性の評価を目的とする第1相臨床試験の位置づけですが、本臨床試験のデータを使用し厚生労働省へ製造販売承認申請を行う予定です。なお、本デバイスは国内医療機器メーカーと共同で開発しております。

協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

本試験の概要
対象疾患がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制
試験の相第1相
デザイン多施設共同非対照非盲検試験
投与群KRN125群
主要評価項目安全性
予定被験者数30名
実施地域日本
注1.ジーラスタ®
ジーラスタは、G-CSFの一つ「フィルグラスチム」をペグ化注5した、持続型のG-CSF製剤で、がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制に用いられます。
なお、ペグフィルグラスチムはアムジェン社(米国カリフォルニア州サウザンドオークス、取締役会長&CEO:ロバート・A・ブラッドウェイ)が創製し、キリン・アムジェン社から導入しました。
注2.キリン・アムジェン社
導入当時はアムジェン社とキリンホールディングス(本社:東京都中野区、代表取締役社長:磯崎功典)の合弁会社でした。2017年に合弁を解消することで合意し、現在はアムジェン社の子会社です。
注3.G-CSF(Granulocyte-Colony Stimulating Factor)製剤
遺伝子組換え技術によって生産されるタンパク製剤。白血球の一種である好中球を選択的に増加させ、その機能を更に高める作用をもっています。これにより、がん化学療法による好中球減少症を速やかに回復させ、好中球減少症に伴う様々なリスクを低下させます。
注4.発熱性好中球減少症
がん化学療法に起因して生ずる好中球減少症は、発熱を伴うことがあり、そのような病態は発熱性好中球減少症と呼ばれます。これは何らかの感染症が疑われる病態であり、ただちに適切な治療を開始しないと重症化する恐れのある合併症である、とされています。
注5.ペグ化
目的のタンパク質に対してポリエチレングリコール(polyethylene glycol)を化学的に結合させることです。タンパク質をペグ化すると、体内での分解が抑制されたり体外への排泄が減少したりすることで、タンパク質が血液中でより長期間残存するため、医薬品の作用時間を延長することが可能になります。
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