Crysvita®の青少年・成人のX染色体連鎖性低リン血症への適応拡大について欧州医薬品評価委員会(CHMP)から肯定的な見解を取得

本ニュースリリースは、当社と当社子会社のKyowa Kirin International PLCが発表した英文プレスリリースを、当社が日本語に翻訳し、発表しています。本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことをご留意下さい。
協和キリン 英文プレスリリース:https://www.kyowakirin.com/media_center/index.html別ウィンドウで開きます

協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)が、青少年および成人のX染色体連鎖性低リン血症(XLH)を対象としたCrysvita®(一般名:burosumab)の適応拡大承認を勧告する肯定的な見解を発表したことをお知らせします。欧州委員会は、Crysvitaに対して、X線画像診断で骨疾患所見を有し、成長期にある1歳以上の小児および青少年におけるXLHの治療薬として条件付き承認を既に与えていますが、CHMPは承認範囲を拡大し、X線画像診断で骨疾患所見を有するすべての青少年、および成人のXLHを含めることを推奨しています。CHMPの見解は、現在欧州委員会で審査されており、最終決定は2020年9月になされる見込みです。

XLHの兆候や症状は幼児期から始まります。低リン血症に伴い、骨石灰化が障害されることにより、下肢の変形や低身長、疼痛を引き起こし、歩行や身体機能の障害をもたらすことで、生活の質に影響を与えます。低リン血症が持続することにより、骨格の変形は成人に到達した後も進行し、20~30歳代において痛みやこわばり、多発性の筋骨格系の障害を発症することがあります。

今回のCHMPからの肯定的な見解は、成人XLH患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験であるUX023-CL303試験と、成人XLH患者を対象とした非盲検単群試験であるUX023-CL304試験の2つの第3相試験のデータに基づいています。

協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

X染色体連鎖性低リン血症(XLH)について

X染色体連鎖性低リン血症(XLH) は、骨、筋肉、関節に異常をきたす稀な遺伝性疾患です。XLHは生命そのものを脅かすものではありませんが、患者さんの負担は生涯にわたり進行し、生活の質を低下させる可能性があります。XLHではX染色体に遺伝的な要因から、体内のリンが尿から過剰に排泄されると同時に、腸からの吸収も阻害されるため、慢性的に血中リン濃度が低下します。XLHを根本的に治癒する方法は存在していませんが、体内でリンを正常なレベルに回復させることを目的とした治療法は、本疾患の症状緩和に有用であると指摘されています。

XLHは遺伝性くる病の中で最も一般的な病気であり、親子間で遺伝子の異常が受け継がれることにより発症することが通常ですが、まれに家族歴のない人にも発症することもあります。

Crysvita (burosumab)について

Crysvitaは協和キリンにより創製されたFGF23に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体です。FGF23は、腎臓におけるリン排泄と活性型ビタミンD産生を制御することで、血清リンおよび活性型ビタミンD濃度を低下させる液性因子です。XLH(X染色体連鎖性低リン血症)およびTIO(腫瘍性骨軟化症)患者さんにおけるリン排泄亢進はFGF23の過剰な作用により引き起こされています。Crysvitaは、XLHおよびTIOを含む他の低リン血症の患者さんにおけるFGF23の過剰な作用を阻害することで、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウムの吸収を促進するビタミンDの産生を増加させます。

本剤は、日本国内においてFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の適応症で2019年9月に製造販売承認を取得し、同年12月に国内で販売を開始しています。FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症にはXLHやTIOが含まれます。
協和キリンとウルトラジェニクス・ファーマシューティカル(米国カリフォルニア州ノバト、CEO:エミール・D・カキス)との間で締結した協業およびライセンス契約に基づき、協和キリンおよびウルトラジェニクスは、共同で本剤のグローバルな開発および販売に取り組んでいます。

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