KW-6356のパーキンソン病患者を対象とした国内後期第2相臨床試験の結果について
協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病※1患者を対象としたKW-6356※2の後期第2相試験(以下、本試験)について主要評価項目を達成しましたので、お知らせします。
本試験は、レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病患者502例を対象に、KW-6356の有効性を検討した、多施設共同でランダム化したKW-6356投与群とプラセボ投与群の二重盲検比較試験です。
本試験における主要評価項目である、治験薬投与開始後26週時点におけるMDS-UPDRS※3パートIII(運動症状)スコアのベースラインからの変化量(運動症状の改善度合い)は、KW-6356投与群がプラセボ投与群よりも大きく、プラセボ群に対し統計的に有意差が認められ主要評価項目を達成しました。一方、安全性については両投与群に大きな問題が見られませんでした。
本試験結果の詳細は、今後、学会や論文等で発表する予定です。
協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。
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パーキンソン病について
パーキンソン病は、動作遅延、硬直、振戦や不安定などの動作症状を特徴とする進行性の神経変性疾患です。原因は中脳の黒質線条体という部分の進行性変性で、脳内でドパミンという物質の不足が起こります。 - ※2:
KW-6356について
KW-6356は協和キリンが創製した開発品で、アデノシンA2A受容体に対して選択的に拮抗する作用を有しています。アデノシンA2A受容体は生体内物質であるアデノシンに対する受容体の一つであり、パーキンソン病の責任病巣がある大脳基底核に分布し、運動機能の調節に関与していると考えられています。KW-6356はアデノシンA2A受容体に対し高い親和性と選択性を有することから、現在協和キリンが日米で販売中のイストラデフィリン(日本製品名:ノウリアスト®、米国製品名:NOURIANZ®)の次世代品としてより幅広い効能効果の取得が期待されています。 - ※3:
MDS-UPDRSについて
MDS-UPDRS (Movement Disorder Society-Unified Parkinson's Disease Rating Scale)は4つの評価項目で構成されており、パートIは日常生活における非運動症状(13項目)、パートIIは日常生活で経験する運動症状の側面(13項目)、パートIIIは運動症状の調査(18項目)、パートIVは運動合併症(6項目)があります。それぞれの質問に対して0から4の5段階があり、0:正常、1:ごく軽度、2:軽度、3:中等度、4:重度で判別されます。