ジーラスタ®の国内臨床試験に関する論文発表のお知らせ
―自動投与デバイス使用における安全性を確認―

協和キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:宮本昌志、以下「協和キリン」)は、持続型G-CSF製剤※1「ジーラスタ®」(開発コード:KRN125、一般名:ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)、以下「本剤」)自動投与デバイス(以下「本デバイス」)の国内第1相試験結果に関する論文が公開されたことをお知らせします。

発表論文
  • “Evaluation of a novel medical device for pegfilgrastim administration”
    • 和題 「ペグフィルグラスチム投与のための新規医療デバイスに関する評価結果」
    • Tomoyuki Aruga et al., Cancer Science, 2022;00:1-8., Article DOI: 10.1111/CAS.15335

この度の論文発表は、外来がん化学療法を受ける乳がん患者を対象とした多施設共同臨床試験において、本デバイスを使用して本剤を投与した際の安全性等の評価に関するものです。

ジーラスタ®は、Amgen K-A, Inc.社より導入した持続型G-CSF製剤で、がん化学療法による発熱性好中球減少症※2の発症抑制を適応症として協和キリンが日本にて2014年より販売しています。発熱性好中球減少症の発症リスクが高い場合、患者さんはジーラスタ®を投与するため、化学療法終了の翌日以降に医療機関に再来院が必要となります。

本デバイスは装着後、約27時間後に薬剤を自動投与する機能を搭載しています。今回の試験において、ドセタキセル+シクロホスファミドによるネオアジュバントまたはアジュバントの化学療法4サイクルの期間を治療観察期間としました。各サイクルにつき1回、本デバイスによる本剤の皮下投与を行った35名の被験者には重篤な有害事象は認められず、発熱性好中球減少症も発生しませんでした。また、本剤の全ての投与において自動投与機能は問題なく作動し、本デバイス使用による安全性上の懸念点も見られませんでした。

本デバイスをがん化学療法と同日に使用することで本剤投与のための再来院が不要となり、患者さんの通院負担と医療従事者の業務負担の軽減につながることを期待しています。なお、協和キリンは本臨床試験データに基づき2021年8月に厚生労働省へ製造販売承認申請を行っており、現在審査中です※3

協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

※1G-CSF(Granulocyte Colony-Stimulating Factor)製剤について
遺伝子組換え技術によって生産されるタンパク製剤。白血球の一種である好中球を選択的に増加させ、その機能を更に高める作用をもっています。これにより、がん化学療法による好中球減少症を速やかに回復させ、好中球減少症に伴う様々なリスクを低下させます。
※2発熱性好中球減少症について
がん化学療法に起因して生ずる好中球減少症は、発熱を伴うことがあり、そのような病態は発熱性好中球減少症と呼ばれます。これは何らかの感染症が疑われる病態であり、ただちに適切な治療を開始しないと重症化する恐れのある合併症である、とされています。
※32021年8月に行った製造販売承認申請について
詳細はこちらよりご覧ください。
https://www.kyowakirin.co.jp/pressroom/news_releases/2021/pdf/20210901_01.pdfpdfが開きます
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