「ジーラスタ®」の自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員に関する承認事項一部変更承認申請のお知らせ

協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本昌志、以下「協和キリン」)は、持続型G-CSF製剤注1「ジーラスタ®」(開発コード:KRN125、一般名:ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)、以下「本剤」)の自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員注2に関する承認事項一部変更承認申請を本日厚生労働省に行いましたので、お知らせします。

今回の申請は、協和キリンが実施した、多発性骨髄腫及び悪性リンパ腫患者を対象とした本剤の造血幹細胞の末梢血中への動員効果を評価する臨床試験の結果に基づくものです。本剤は、Amgen K-A社より導入した持続型G-CSF製剤で、がん化学療法による発熱性好中球減少症注3の発症抑制を適応症として日本にて2014年より販売しています。2022年2月には、同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員注4に関する承認事項一部変更承認を取得しました。この度の申請により、持続型製剤である本剤が自家末梢血幹細胞移植の治療にも適応追加し、造血幹細胞移植医療における患者さんの負担軽減に貢献できるものと期待しています。

協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

注1:G-CSF(Granulocyte Colony-Stimulating Factor)製剤について
遺伝子組換え技術によって生産されるタンパク製剤。化学療法により減少し得る好中球を増加させ、発熱性好中球減少症のリスクを低下させます。また、末梢血中への造血幹細胞の動員作用をもっています。
注2:自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員について
自家末梢血幹細胞移植は、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫等の悪性腫瘍の治療法のひとつとして位置づけられている治療法です。同種移植とは異なり、患者自身から採取した造血幹細胞を移植する方法です。造血幹細胞を血中に動員する際には、連日投与型のG-CSF製剤が広く用いられています。G-CSF製剤の単独投与、G-CSF製剤とケモカイン受容体CXCR4の受容体拮抗薬であるプレリキサホルの併用投与、G-CSF製剤投与と化学療法の併用のうち、いずれかの方法で末梢血中に造血幹細胞を動員し、血液成分分離装置を用いてアフェレーシス(血球成分の分離・採取)を実施するのが一般的です。
注3:発熱性好中球減少症について
がん化学療法に起因して生ずる好中球減少症は、発熱を伴うことがあり、そのような病態は発熱性好中球減少症と呼ばれます。これは何らかの感染症が疑われる病態であり、ただちに適切な治療を開始しないと重症化する恐れのある合併症である、とされています。発熱性好中球減少症のリスクを高めることが知られている化学療法を受けた患者さんには予防的G-CSF製剤投与が推奨されています。
注4:同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員
同種末梢血幹細胞移植は、白血病等の悪性腫瘍及び再生不良性貧血等の非腫瘍性血液疾患の治療法のひとつとして位置づけられている治療法です。レシピエントに移植する造血幹細胞をドナーから採取するため、末梢血中へ造血幹細胞を動員する効能を持つ連日投与型のG-CSF製剤が広く用いられています。連日投与型G-CSF製剤は1日1回又は2回連日皮下投与し、投与4~6日目にかけて血液成分分離装置を用いてアフェレーシス(血球成分の分離・採取)を実施するのが一般的です。
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