品質保証

方針・戦略

協和キリングループでは、グローバルな品質基本方針に則り、世界の人々の健康および福祉に貢献する最高品質の医薬品・治験薬を提供します。

協和キリングループ 品質基本方針

1. 目的

協和キリングループは、グローバルな品質・安全性・コンプライアンスポリシーを遵守し、世界水準の品質の医薬品およびサービスを安定的に提供することで、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。本基本方針は、協和キリングループの品質に関する基本原則を示すものです。

2. 適用範囲

本基本方針は、協和キリングループの役員および従業員に適用されます。協和キリングループは、私たちの製商品およびサービスに関連するすべての取引関係者に対し、本基本方針に定める基本原則に基づく行動を求めていきます。

3. 用語の定義

  • GxPとは、GLP(Good Laboratory Practice)、GCP(Good Clinical Practice)、GMP(Good Manufacturing Practice)、GQP(Good Quality Practice)、GDP(Good Distribution Practice)およびGVP(Good Vigilance Practice)をいいます。
  • 品質マネジメントシステムとは、品質の方針および目標を達成するためのプロセス、ならびに手順および責任を文書化する形式化されたシステムをいいます。

4. 基本原則

私たちは、以下の基本原則に基づき行動します。

法規制の遵守と継続的改善
私たちは、GxPに関連するすべての国際的な法令、規制およびガイドラインを遵守して業務を行います。またこれを維持するため、品質マネジメントシステムを継続的に改善します。
ステークホルダーとの協力と連携
私たちは、高品質の医薬品を継続的に供給するため、世界中の規制当局、サプライヤーおよび契約業者と健全な関係を維持します。
予測・予防型の品質保証への取り組み
私たちは、情報やデジタル技術を用いてリスクを事前に特定し、これに対処することによって、問題を未然に防ぐよう努めます。
クオリティ・カルチャーの醸成
私たちは、常に患者さんの視点に立って誠実に行動できるよう、組織での風通しを良くし、課題をオープンに話し合い、チームと連携して対処する健全なクオリティ・カルチャーを育みます。

ガバナンス

私たちの未来像と使命

最高品質の医薬品を届ける

私たちは、私たちのビジョンに従い、私たちのミッションを実行することにより、患者さんに貢献します。

  • 私たちのビジョン(何をすべきか)は、品質、安全性、コンプライアンスのポリシーを念頭に置きながら、世界に通用する品質マネジメントシステム(QMS)を構築し実践することにより、最高品質の医薬品を患者さんにお届けすることです。
  • 私たちのミッション(どのようにすべきか)は、グローバル品質ロードマップを実行し、自らの目標を達成することです。品質とコンプライアンスに関して世界で通用する組織になるために、一連の計画や構想をこの先、数年かけて実行していきます。

クオリティ・カルチャーは、明確なビジョンの構築、全社員が行動指針として合意した一連の価値、強いリーダーシップの発揮という、まさにこの3つを指します。健全なクオリティ・カルチャーでは、科学的根拠に基づいたアプローチで物事が決められ、適切なリスクマネジメント、厳格なデータインテグリティ、コンプライアンス、支援的な管理体制、問題を未然に防止できる環境、継続的な改善の意思が見られます。

グローバル品質ロードマップに含まれる私たちの究極的な目標は、競争力のある優位性を持ち、世界で通用する品質マネジメントとクオリティ・カルチャーを構築することです。

  1. ※1品質保証(Quality Assurance/QA)
グローバルQA※1ヘッド
Jonathan Patroni

グローバル品質保証体制

グローバル品質保証の機能は下図のように、社長直属のグローバルQAヘッドが、グローバルQAファンクションに加え、日米欧およびアジアの各地域のすべての品質保証活動を直接指揮する形に整えました。リージョナルQAグループは、専門性の高いグローバルファンクションと協働し、グローバルで一貫した品質保証・管理監督の枠組みを確保しています。患者さんの安全、コンプライアンス、および顧客満足を最優先としたグローバル品質保証体制が構築されています。

代表取締役社長、グローバルQAヘッド、グローバル品質マネジメント部、グローバル品質システム部門、グローバル監査・R&D品質部門、リージョナルQAの下に日本、北米、ヨーロッパ/中東/アフリカ、アジア/オセアニアを設置しています。
グローバル品質保証体制

日本における組織体制

日本国内においては、One Kyowa Kirin体制への移行により、日本のリージョナルQAとして、製品のライフサイクルを考慮し、従来の組織構造を超えた品質部門の連携が求められることとなりました。
国内の事業構造を勘案し、東京地区には、製造販売業組織において安全管理部門であるPV本部と連携する品質保証部と薬事監査部、及び、R&D品質保証部と品質戦略室が、高崎地区には、バイオ医薬品の品質保証を行う高崎品質ユニット(品質保証部、品質管理部)が、宇部地区には、低分子医薬品の品質保証を行う宇部品質ユニット(品質保証部、品質管理部、関連会社の協和医療開発㈱)が、そして、三島地区および高崎地区の中には、開発段階の医薬品の品質保証を行うCMC品質ユニットが、ひとつの組織として、人事上の組織を超えた日本リージョンの品質部門として連携し、さまざまな活動を行っています。

代表取締役社長、総括製造販売責任者、グローバル QA ヘッド、品質本部(日本リージョナルQA)、品質戦略室の下に、GLP GCP(R&D品質保証部)、GMP(CMC品質ユニット※3:高分子QAグループ、高分子QCグループ、低分子QAグループ、低分子QCグループ、高崎品質ユニット※4:品質保証部、品質管理部、宇部品質ユニット※5:品質保証部、品質管理部、協和医療開発品質部門)、GQP(薬事監査部、品質保証部(品質保証責任者))、GVP(PV本部(安全管理責任者))を設置しています。総括製造販売責任者、品質保証責任者、安全管理責任者の三役体制をとっています。※3 開発段階の品質保証を行う品質ユニット ※4 バイオ医薬品の品質保証を行う品質ユニット ※5 低分子医薬品の品質保証を行う品質ユニット

日本国内における各拠点の品質部門の業務紹介

  • 高崎品質ユニット(品質保証部、品質管理部)
    高崎工場は、最新のバイオ医薬品製造設備を備えた抗体原薬製造棟ならびに注射剤製造棟を有しており、米国および欧州当局の承認前査察に合格し、グローバル戦略品の米国および欧州への供給を開始していることから、品質部門では高品質なグローバル戦略品を患者さんにお届けすることに貢献しています。
  • 宇部品質ユニット(品質保証部、品質管理部、関連会社の協和医療開発㈱)
    宇部工場は、経口固形製剤の専用製造所で、既存医薬品の製造に加え、研究開発型工場として新製品の導入を積極的に進めており、品質部門では、新製品の一日も早い上市と高品質な医薬品の供給を通じ、患者さんに貢献しています。さらに、品質部門を中心に、グローバルへの製品供給を視野に入れた海外規制への対応も行っています。
  • CMC品質ユニット
    CMC品質ユニットは、高分子製品を対象にしたチームと、低分子製品を対象にしたチームから成り、治験薬製造、承認申請・商業生産サイトへの技術移管等を行う開発研究部門と連携し、必要な品質保証活動を行うことによって、新製品の一日も早い上市と高品質な医薬品の供給を実現します。また、三島地区においては、一部の既存医薬品の包装サイトとしての機能も有しています。
  • 東京地区
    東京地区においては、品質保証部ならびに薬事監査部が、国内の医薬品製造販売業GQP部門として、社内外の製造所管理を始め、商業生産段階にある製品に対する様々な品質保証活動を行っています。R&D品質保証部ならびに薬事監査部が、開発段階(非臨床、臨床)にある製品のGLP/GCP遵守を保証する活動を行っています。また品質戦略室が全社的な品質戦略の策定と実現に向けた調整業務を担っています。

リスク管理

リスクや災害への対応

万が一、当社製品のリスクが顕在化した場合、迅速で適切な対応がとれるように社外の製造委託先との合同訓練や海外販売拠点を含めた回収訓練を実施し、非常時に備えています。

大規模震災などの災害時、「医薬品の供給」と「情報提供」という重要な責務を継続できるように品質保証活動の事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を定めています。

具体的な取り組み

グローバル全体での活動

  1. 有効性・安全性が保証された高品質な医薬品を安定的に患者さんにお届けするために、日本の医薬品医療機器等法をはじめ、GxP※2 に関連するグローバルの法令、指針および業界ルールのすべてを遵守して、研究開発から製造販売後まですべての段階で製品品質および患者さんの安全を保証しています。
  2. 全世界で共通の基準に従って製品品質および患者さんの安全を保証するため、グローバルな品質マネジメントシステムを構築および運用し、その継続的改善に取り組んでいます。
  3. 事業地域会社における品質マネジメントシステムの構築および運用状況を監視するため、グローバルQAヘッド、各グローバルファンクションヘッド、事業地域会社における品質保証部門長ならびにシニアマネジメントから構成されるグローバル品質保証委員会を開催し、トップマネジメントレビューを実施しています。また、グローバル監査チームは、定期的な事業地域会社への品質マネジメントシステム監査をスケジュールに従い実施しています。

日本での活動

日本国内においては、使命を達成すべく、日本リージョナルQA全体で、以下に示す、PDCAサイクルにより、常により良い活動となることを目指しています。

品質マネジメントシステム(QMS):組織及びその状況、顧客要求事項、密接に関連する利害関係者のニーズ及び期待に対してリーダーシップを中心として計画、支援運用、パフォーマンス評価、改善のPDCAサイクルを回して顧客満足、QMSの結果、製品及びサービスに繋げています。

日本における高品質な製品の供給への取り組み

私たちは、常に高品質な製品を患者さんのもとへ届けるため、医薬品の原材料、原薬及び医薬品の製造中、そして、最後の出荷時の試験において、GMPに従い定められた方法で試験を実施しています。

GMPとは
医薬品は、病気の治療や予防などの保健衛生に用いられ、人々の健康や生命に直接関与しています。そのため、医薬品を製造する際は、定められた品質規格に適合することを確認するだけでなく、製造する過程についても適切に管理し、品質の良い優れた医薬品を恒常的に製造する必要があります。
このような医薬品を製造するための要件をまとめたものがGMP(Good Manufacturing Practice)であり、日本語では「医薬品の製造管理及び品質管理の基準」と表現されています。
原材料の受入(原材料・包装資材などの受入試験)、原薬製造(工程管理、製品試験)、製剤製造(工程管理、製品試験)包装(工程管理、製品試験)、出荷(最終製品試験)

日本における高品質な製品の供給への取り組み

私たちは、品質に関連する全ての従業員及び関連する人々に対し、定期的な研修を行っています。また、これらの研修を通じた教育は、毎年継続的に実施されており、これらの活動を通じ、クオリティカルチャーの醸成活動を行っています。
さらに、グローバルで統一された品質保証に関するポリシーや文書に関する教育や、各GxPに基づき定められた文書に関する教育を実施し、必要に応じて、OJTを通じた手順の習得・実技の実施による教育により人材育成を行っています。

GxPとは
generic good practice (一般的グッド プラクティス) の略で、医薬品の研究、開発、試験、製造、流通のさまざまな領域を対象とする一連の法、規制、ガイダンスを指します。
GxP の例には次のようなものがあります。
  • GLP - 医薬品の安全性試験の実施に関する基準
  • GCP - 医薬品の臨床試験の実施に関する基準
  • GMP - 医薬品の製造および品質管理に関する実践規範
  • GDP - 医薬品の適正流通基準
  • GVP - 医薬品等の製造販売後安全管理基準
品質:信念、価値観、行動規範 グローバル品質マニュアル グローバルポリシー/文書 各GxP文書

日本におけるサプライヤ管理の取り組み

私たちが医薬品の製造販売を続けるにあたり、多くのサプライヤの企業みなさんと共に活動を行っています。そして、高品質な製品の製造を維持し続けるために、それぞれのサプライヤをカテゴリに分け(例えば、製品の品質に影響を与えるのか、等)、複数の観点から管理を行うとともに、特に、主要なサプライヤに対しては、定期的な監査を実施する際に、“品質”に関するお話もさせていただき、医薬品製造に伴うより一層の意識向上に協力いただけるよう、努めています。

サプライヤ別のカテゴリ情報、サプライヤの基本情報(品質への影響度、品質に関する取り決め、代替製造所の有無など)、日常的な情報(大きな品質問題やリコール等の起因になったか、品質情報の起因となったかなど)、監査/査察の情報(当局査察の結果、協和キリンが実施した監査の結果及び対応状況など)について各サプライヤのカテゴリにより製造所のリスクレベルを算出しリスクレベル毎にサプライヤを管理しています。
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