社会との共有価値 【解説記事】「再生可能エネルギー」とは

目次
「再生可能エネルギー」とは
再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった温室効果ガスを排出しない、再生可能なエネルギーです。エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されています※1。日本における全発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は年々増加しており、2021年度で約20.3%となっています。なお、再生可能エネルギーの内訳では太陽光発電が最も多くなっています※2。国内で生産できる再生可能エネルギーが多いので、エネルギー安全保障にも寄与できます。
「再生可能エネルギー」の種類

代表的なものは下記の5つです。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電
この項目では、それぞれの概要や特長・課題を解説していきます※3。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽電池を使って太陽の光で電気を発生させる発電方法です。太陽光発電パネルは、建物の屋上や埋め立て場跡地など、さまざまな場所に設置されています。
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広い土地や大がかりな設備が不要な太陽光発電は、自然エネルギーの中でもっとも活用しやすいといえるでしょう。
風力発電
風力発電とは、風の力で風車を回転させた動力を発電機に伝え、電気を起こす発電方法です。風車の高さや羽根の長さなどによって1基当たりの発電量は異なります。発電機は、山頂や広い公園などに設置されるケースが多いです。
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土地が狭く設置場所を確保しづらい日本では、洋上風力発電の拡大が検討されています。
水力発電
水が流れる力を利用して発電タービンを回し、電気を発生させるのが水力発電です。渓流やダムのほか、オフィスビル内で空調の循環水を活用して水力発電を行うケースもあります。
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地熱発電
地熱によって発生する蒸気が噴き出す勢いを利用してタービンを回し発電するのが、地熱発電です。温泉や山のふもとなどで行われることが多いです。
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なお、地熱発電の方式には、「フラッシュ方式」「バイナリー方式」の2つがあります。
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フラッシュ方式 | 地中の高温の蒸気で直接タービンを回し発電 |
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バイナリー方式 | 水より低い温度で蒸気になる液体を地熱で温め、その蒸気で発電 |
バイナリー方式の方がより低い温度でも発電が可能となるため、例えば温泉水の熱を活用し発電するといったこともできます。
バイオマス発電
木くず・生ごみ・家畜排せつ物などの動植物由来の資源(バイオマス)を直接もしくは燃料に加工して燃やし、発生した蒸気やガスでタービンを回し発電する方法が、バイオマス発電です。
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バイオマス発電でも二酸化炭素は排出されますが、バイオマスは温室効果ガスの排出量を正味または実質ゼロに近づける「カーボンニュートラル」なので、燃焼しても地球上の温室効果ガスの総量は増えません。そのため、バイオマス発電も再生可能エネルギーであるとされています。
「再生可能エネルギー」普及における2つの課題

再生可能エネルギーには、温室効果ガスを排出しない、エネルギー源が枯渇しない、エネルギー自給率を向上させるという3つのメリットがあります。ただ、再生可能エネルギーを普及させる上での課題が大きく2つあります。
発電コストが高い
再生可能エネルギーの発電コストは、太陽光発電を筆頭にかなり低下していますが、まだ、LNG火力発電に比べると発電コストが高いです。今後、一層の発電コスト低下が期待されます。
供給が安定しない場合がある
特に太陽光発電や風力発電は、気象条件の変化が発電量にダイレクトに影響するため、電力の供給が安定しにくい傾向にあります。需給バランスが合わない場合にも対応できるよう、蓄電池や電力制御設備などの整備が求められています。
また、協和キリンでは、2030年までにCO2の排出量を2019年比で55%削減することを目指し、再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組んでいます。
(詳しくはこちら)
まとめ
再生可能エネルギーが全発電電力量に占める割合は、2021年度で約20.3%です。発電コストや電力の安定供給といった課題がある一方、日本各地で再生可能エネルギーの積極的活用に向けた取り組みが行われています。今後は気候変動対策として、再生可能エネルギーの活用をより積極的に進めていく必要があるでしょう。