People & Culture 【解説記事】ジェンダーレスとは

近年、多色展開のランドセルが発売されたり、男女兼用のコスメアイテムが登場したりと、性別によって使用する人を選ばない商品が増えてきています。今回は、こうした「ジェンダーレス」の考え方の定義や取り組みをお伝えします。

「ジェンダーレス」の意味

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、すべての人が性別にかかわらず平等に機会が与えられる社会を目指す考え方です。「ジェンダーレス」は、この「ジェンダー平等」を達成する上で、重要となる考え方の1つです。ジェンダーとは、社会的・文化的につくられた性別ごとの役割やイメージを指すのですが、こうした「社会的・文化的な区別をなくす考え方」が、ジェンダーレスです。

似た言葉に「ジェンダーフリー」があります。ジェンダーの問題を解決することを目的としている点では同じですが、ジェンダーフリーは、社会や文化によって形成された「男性像」や「女性像」にとらわれずに自由になるという意味です。一方、ジェンダーレスは、固定概念により形成された男女間の区別や性差をなくすという意味になります。

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ジェンダーレス

社会的・文化的に形成された性差による区別や性差をなくす
(例)

  • 「男性は青色、女性は赤色」と決めつけず、好きな色から選べるようにする
  • 制服を男女で分けない
ジェンダーフリー

社会的・文化的に形成された性差から自由になる
(例)

  • 家事分担を「男性は働き、女性は家事」といった固定観念にとらわれず、建設的な話し合いで決める
  • 育児休暇を男女とも平等に取れるよう整備する

身近な「ジェンダーレス」の事例

ジェンダーレスは、私たち一人ひとりが日常的に接している考え方です。身近な事例を紹介します。

ジェンダーレスファッション

ジェンダーレスファッションとは、男性向け・女性向けといった性別の枠組みにとらわれることのないファッションを意味します。服装を例に挙げると、中性的なデザインや、ベージュ・グレー・カーキなど性別を感じさせない色味を取り入れたデザインが、ジェンダーレスファッションの特徴です。性別にとらわれず自由にファッションが楽しめることや、ジェンダーレスの必要性の高まりにともない、注目を集めています。

ジェンダーレス制服

ジェンダーレス制服とは、男女で同じデザインのジャケットやスラックスなど、性差を感じさせないデザインの制服のことです。ジェンダーレス制服を取り入れるうえで、男女ともに自分が着たい制服を着られるように、ジャケット・ボトム・ネクタイ・リボンの組み合わせを、自由に選択できるようにしている学校も増えています。

ジェンダーレストイレ

ジェンダーレストイレとは、男性用・女性用の区別のない、性別にかかわらず誰もが使えるトイレのことです。性的マイノリティであっても、公共のトイレを不自由なく使えるようにする「オールジェンダートイレ」がその取り組みの一例で、一部の空港や大学などで導入されています。プライバシーに配慮したジェンダーレストイレは、付き添いが必要な方などにとっても重要な選択肢となっています。

まとめ

ジェンダーレスとは、ジェンダーによる社会的・文化的な区別をなくす考え方です。SDGsの目標を達成するうえでも、取り組みが欠かせません。ジェンダーレスへの取り組みに関心をもち、身近なことから意識していくことが求められています。

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