社会との共有価値地域との共生のために今、私たちにできること。【協和キリン富士事業場活動】

静岡県東部に位置する駿東郡長泉町。北に富士山を仰ぎ南に駿河湾を望む、自然豊かなこの町に位置するのが協和キリン株式会社「富士事業場」だ。

日本有数の研究設備を有し、世界中で使用される医薬品を生み出してきた、まさに“創薬の現場”と言える本施設。その活動の背景にはいつも、長泉町への思いがあるという。

今回は、「富士事業場」の歴史を紐解きつつ、地域に根ざした共生活動にフォーカスを当てた。

世界的新薬を生み出す「富士事業場」

画像:長泉町に位置する協和キリン株式会社「富士事業場」

「富士リサーチパーク」と「CMC研究センター」は、協和キリン株式会社の研究開発拠点である。敷地面積82,000㎡(東京ドーム約1.8個分)という広大な敷地を有するこの施設には、両組織の他にも、事業場の管理・運営サポートに携わる「協和キリンプラス」、ユーティリティー施設の運転・保守業務に携わる「キリンエンジニアリング」などがある。この富士事業場では、現在550名を超える従業員が働いている。

  • 2021年12月現在
画像: 富士リサーチパーク所内の様子

「富士リサーチパーク」では、これまでに積み重ねてきた医薬品研究開発のノウハウと、最先端のモダリティー研究やバイオテクノロジーを駆使しながら、創薬から開発、育薬まで、医薬品にかかわる幅広い研究・開発を進めている。

隣接する「CMC研究センター」では、主に低分子医薬品に関する、原薬プロセス研究、製剤の処方設計及び製造方法の構築、治験薬製造、原薬及び製剤の試験法開発、申請業務、生産工場への技術移管、維持管理や育薬研究などを実施。

「CMC研究センター」と「富士リサーチパーク」の協業により研究開発された画期的な中枢神経領域の医薬品は、2013年に販売が開始され、今やグローバルに展開され世界中の患者さんに使用されている。まさに、静岡から世界へ発信した製品だ。

現在の「富士事業場」の前身となる協和化学興業が、この地に製造拠点を定め、創業を開始したのは1943年のことだ。

その後、「富士事業場」の担う役割は時代と共に変化し、2017年には、工場の設備・機能を移転すると共に医薬品の「製造拠点」としての役割に区切りをつけた。現在は、広大な土地に8つの研究棟を構える「一大研究拠点」となっている。

「長泉町に拠点を構えて78年。事業の形態は変わりつつも、大きなトラブルもなく事業を存続できているのは、町民の皆さまのご理解とお力添えがあってこそ。」と担当者。

医薬品の研究は、人々の健康に欠かせない産業である一方、外部から見れば、何をやっているのか分かりにくい側面を持つ。この施設が地域住民の方々に不安を与えることがあってはいけない。

これまでの担当者たちも、さまざまなイベントや説明会を通じ、地域住民の方々とのコミュニケーションを大切にしてきた。一つひとつの積み重ねが大きな輪となり、今では、多くの従業員が長泉町に住み、この地を故郷とする。これからも、先人の意志を受け継ぎ、地域の一員としての企業姿勢を貫いていく。

画像:協和キリン富士事業場では、有志による近隣清掃を不定期に行なっている。従業員は地域住民の方とコミュニケーションを取りながら日頃の感謝の気持ちを込めて清掃をする。
画像:静岡県が河川の美化・環境整備を目的に発足したリバーフレンドシップ制度に賛同し、「リバーフレンドシップ黄瀬川清掃」を行っている。

コロナ禍でもできることを。「富士事業場連携活動」

地域との共生を大切にしてきた「富士事業場」。これまでも、弊社主催の「祭り」や「健康増進講演会」「清掃活動」などを通じて、地域の方々と定期的な交流を実施してきた。しかし2020年はCOVID-19の影響でイベントの開催が叶わず、もどかしい気持ちを抱えた1年だったと言う。

COVID-19の影響が2021年以降も続くと分かった時、「地域の方々や従業員同士のコミュニケーションの活性化のために、何かアクションを起こすべきではないか」と従業員で立ち上げたのが「富士事業場連携活動」だ。

2021年は、「富士リサーチパーク」と「CMC研究センター」の従業員が連携し、10のチームに分かれて活動を実施した。

各チームが企画・実施・募集を行う際は、全従業員が繋がることができる Microsoft Teamsを社内SNSとして活用したり、企画内容によっては同じくTeamsで参加募集を行ったりと、社内のデジタル活用のきっかけにもなった。

図:富士事業場 2022年度目標

2022年も2021年の経験をもとに「富士事業場連携活動」をよりブラッシュアップする形で、「組織風土活性」「社会貢献活動」「SDGs貢献活動」「近隣との共生」をキーワードに実施していく予定だ。最後に、「富士事業場連携活動」の一部をご紹介したい。

医療従事者への感謝を形に。ブルーライトアップへの参加

ブルーライトアップ(#Light it Blue)

画像:富士事業場の正面玄関にある「モッコク(長泉町の町の木)」がブルーにライトアップされた。

2021年10月中旬、モッコクをブルーのLEDライトが飾った。これは「ブルーライトアップ(#Light it Blue)」と言われる世界的な取り組みの一つ。医療従事者への感謝・コロナ鎮静への祈り・感染対策意識向上などの想いが込められている。さらに、4月の世界パーキンソン病デーや10月の世界関節炎デーなどに合わせて、患者さんへ想いを寄せるライトアップも計画されている。

地元高校生による花壇制作

ライトアップされたモッコクの麓には、静岡県立田方農業高校園芸デザイン科の皆さんによる花壇が設置された。

この取り組みは、生徒の皆さんが学んだことを発揮できる場を提供することで、協和キリングループ社会貢献活動基本方針に掲げる「次世代の育成と地域コミュニティとの共生を推進」を実現するために考えられた企画。

生徒の皆さんがこの場所のためにデザインし、自ら作った「土」と「植物」を使って制作された。

画像:静岡県立田方農業高校の生徒の皆さんが考えた花壇のデザイン図案

ライトアップや花壇を観た近隣の方々からは、「散歩中の楽しみが増えた」とか「素敵な花壇に癒される」「子どもと撮影した」など嬉しいお声やお電話をいただくことができた。また、今回の取り組みは、長泉町の公式Facebookや広報誌、地域のテレビ番組で紹介された。「多くの皆さんと、平和な日常への想いを共有するきっかけとなったと感じています。」と担当者。

近隣の住民の方々へ向けたレジスタンス運動講座

画像:地域の皆さんと体操を行う様子

長泉町健康増進課主催の「健康講座」にて、地域住民の方々を対象とした「レジスタンス運動講座」を開催。協和キリンの従業員が講師となり、レジスタンス運動のポイントを解説しながら実演した。

  • 筋肉に繰り返し抵抗(レジスタンス)負荷を与えながら運動する筋力トレーニング
画像:「レジスタンス運動」企画メンバー
画像:「レジスタンス運動」ポスター
監修:大阪市立総合医療センター 糖尿病・内分泌センター長 細井 雅之 先生

協和キリンの「社会との共有価値」についてもっと知る

トップへ戻る