イノベーション患者さんの笑顔のために「Life-changingな価値」×「Only-one value」への挑戦

本記事は協和キリンアニュアルレポート2021より再構成したものです。アニュアルレポートはこちらpdfが開きます

協和キリンの研究開発部門では、病気と向き合う人々の笑顔のために、「オンリーワンに思いを込めて」を合言葉に、イノベーションへの情熱と多様な個性が輝くチームの力で、オンリーワンにこだわったLife-changingな価値創造に向けて、さまざまな挑戦を続けています。

また、私たちのあるべき姿/ありたい姿である「Our R&D Spirits」を浸透させる施策を展開し、メンバーの自由な発想と活動を尊重し、チャレンジを推奨する体制づくりにも取り組んでいます。

協和キリンの研究開発部門の合言葉は「オンリーワンに思いを込めて(Provide “Only-one value” to Patients. This is our Dream)」。また、私たちのあるべき姿/ありたい姿は「Our R&D Spirits」。「Be the Best in Science(サイエンスで負けない)」「Passion for Innovation(イノベーションへの情熱)」「Every Challenge, a Step to Success(挑戦なくして成功なし)」「This is me. This is our team.(多様な個性が輝くチームになろう)」の4つです。

新たな研究組織体制のスタート
~技術、疾患、オープンイノベーションの密な連携~

技術研究、疾患サイエンス研究、オープンイノベーション活動をより機動的に連携させるため、これまで細分化されていた研究組織を統合し、2021年4月から「研究ユニット」としての一体運用を開始しています。この統合により、ユニット内でのシナジー効果を追求し、適切なリソース配分を行いながら、研究活動のトータルマネジメントを行っています。また、米国サンディエゴを拠点とする当社研究所との連携に関しても、国内研究所から研究員を積極的に派遣するなど、より重厚な連携体制を構築し、グローバルな視点でのネットワーク型創薬の実現に力を入れています。同じくサンディエゴにあるラホヤ免疫研究所(La Jolla Institute for Immunology)とも継続して連携し、研究ステージにおけるプロダクトパイプラインの拡充に取り組んでいます。

これまでに醸成された疾患インテリジェンスや社内外ネットワークを強みとして保持しつつ、オープンイノベーションも活用した「Technology-driven創薬」を進展させ、日米の自社研究拠点のみならず、国内外複数の外部研究機関との連携を通じて、新規モダリティ技術の確立と生み出された新規技術を用いた特色あるパイプラインの構築を行っていきます。

研究開発部門における新たな価値創造への挑戦
~サイエンスの進展・融合を踏まえた画期的な創薬技術開発~

協和キリンは、独自の技術を追求し、さらなる技術進化とオープンイノベーションによる新たな技術の融合により、「Technology-driven創薬」の進展に挑戦しています。

次世代抗体医薬の分野では、協和キリン独自のバイスペシフィック抗体を新規抗体医薬に活用し、技術とバイオロジーを融合させたファーストインクラスの薬剤の創製を目指しています。2021年には複数のバイスペシフィック抗体のパイプラインが順調に非臨床ステージに移行するとともに、複数の後続探索パイプラインテーマも展開しています。さらに、強みのある自社抗体研究の経験を活かして、最先端の抗体薬物複合体(ADC/Antibody Drug Conjugate)の創製にも取り組んでいます。2021年8月にはSynaffix社とADC創製技術に関するライセンス契約を締結し、同社が持つ最先端のADC創製技術を取り入れ、標的、疾患に最適なADCパイプライン創出を加速させています。当該パイプラインは現在前臨床段階にありますが、後続探索パイプラインも含め、複数の画期的な医薬品候補を創出することで、研究開発パイプラインの拡充を目指しています。

Synaffix connect to cure

近年、核酸医薬分野では、アンチセンスオリゴやsiRNA(small interferingRNA)技術を搭載した医薬品に加え、新型コロナウイルス感染症に対するmRNA(messenger RNA)ワクチンの実用化が一気に進みました。協和キリンでは、これまでの核酸技術研究で培った化学合成技術を活かし、独自の蛋白質発現亢進技術開発に取り組んでいます。本技術の活用により、治療や予防のためのさまざまな蛋白質を持続的に発現させることで、核酸医薬だからこそできる新たな価値の創出を目指しています。

また、低分子医薬品については、自社で培ってきた革新的な創薬技術とAxcelead社の幅広い技術・経験を効果的に融合することで、より機動力を持って、競合優位性を有する新たな低分子創薬技術基盤の構築を進めています。従来の低分子医薬の壁を越え、これまでアクセスできなかった創薬標的に対する医薬品の創出を目指しています。また、同社との共同研究のうちRNA構造標的創薬に関して、2021年よりxFOREST社も含めた三社間共同研究を開始しました。xFOREST社の大規模同時並列解析プラットフォーム群である「FORESTtechnologies」を活用することで、RNA構造を標的とする革新的な低分子創薬研究を推進していきます。

AXCELEAD Drug Discovery Partners xFOREST Therapeutics

AI創薬の領域では、AIを活用した仮説提唱から検証サイクルを加速化しています。2018年よりパートナー関係を継続しているInveniAI社とは、協和キリンが独自に開発した次世代抗体技術に適した創薬標的分子および適応疾患の探索も進めています。また、2021年12月には、複数の疾患領域に対するAIを活用した新薬創出に関する共同研究契約を新たに締結し、InveniAI社との協業範囲を拡大しました。同社のデジタル領域での強みと協和キリンの持つバイオテクノロジーをかけ合わせ、両社の研究者がさらに緊密に協力し、革新的な医薬品候補を創出していきます。

InveniAI Innovate with intelligence

既成概念にとらわれない、協和キリン発の独創的なテーマ創出への挑戦

研究開発部門は、将来の画期的なコア技術、多様なモダリティ、有効な治療法のない疾患領域での開発パイプラインを生み出すための仕組みを構築し、「Patient Centricity」を意識した圧倒的優位性を示すLife-changingな価値創出に取り組んでいます。また、モダリティの融合によるさらなる技術進化や医薬品にとどまらない価値創出を目指した取り組みの一つとして、社内公募型研究テーマ創出といった活動も開始しました。既存の概念や枠組みにとらわれることなく、Life-changingな価値にこだわった協和キリン発の独創的なテーマに挑戦しています。

「Our R&D Spirits」を体現するための人材育成の施策

「Our R&D Spirits」を体現していくために、研究開発部門共通の「人材マネジメントポリシーin R&D」を策定しました。これは、研究職、技能職、開発職等すべての職種・職群ごとに求める役割を明文化した研究開発部門の「道しるべ」であり、国内外での人材育成等に活用しています。また、「Our R&DSpirits」を体現した行動発揮を称賛し、優れた取り組みを共有することを目的として、「Our R&D Spirits」のキーワードを冠した4つの賞(「Be the Best inScience賞」「Passion for Innovation賞」「Challenge賞」「Teamwork賞」)および大賞からなる表彰制度を運用しています。2022年からは、失敗を恐れずに果敢に挑戦する活動を表彰する「Our R&D Spirits特別賞」を新設し、これまで以上に挑戦しやすい組織風土の醸成を目指しています。

新しい技術の創出、技術を活用したパイプライン
創出の取り組みなど複数のチームが「Be the
Best in Science賞」に選ばれました

協和キリンは、病気と向き合う人々の笑顔のために、失敗を怒れず果敢に挑戦し、「Only-one value」そして「Life-changingな価値」を継続的に創出し続けます。そして、グローバル戦略品、次世代戦略品に続く新たな「Life-changingな価値」を世界中の多くの患者さんに一刻も早く届けられるように、スピード感をもって研究開発を進めていきます。

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