People & CultureCOO×CPO対談:協和キリンの企業文化をつくる、私たちの「KABEGOE Principles」ができるまで

協和キリングループの「Vision 2030」実現の要素である「Strategy」と「Team」。Story for Vison 2030は、まさにビジョン実現のための具体的な戦略にあたるものとして2024年に策定されました。同様に、「Strategy」を推進しビジョンを実現するために必要な「Team」についても、人・企業文化のありたい姿と現状のギャップを埋めるためのチーム作りが求められます。グローバル戦略を力強く推進し、Life-changingな価値の継続的な創出を実現するために従業員一人ひとりがとるべき具体的な行動を言語化したものが2025年に策定した「KABEGOE Principles」です。

従業員一人ひとりの声や思いを土台に、トップマネジメント自らが議論を重ねて生まれた「KABEGOE Principles」に込められた想いや、策定に至るまでのプロセス、その先に描く未来について、議論を牽引してきたAbdul Mullick COO(Chief Operating Officer)と板垣祥子CPO (Chief People Officer)が語ります。

「KABEGOE」カルチャーと「私たちの志」に支えられて

―KABEGOE Principlesの策定に至るまでの経緯を教えてください。

板垣 当社グループは、2030年に向けたビジョンである「Vision 2030」を掲げ、病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値の継続的な創出を目指し活動しています。その実現をより確かなものにするために、2024年にビジョン実現に向けた戦略ストーリー「Story for Vision 2030」を、2025年にKABEGOE Principlesを策定しました。これらを重要経営課題であるマテリアリティや年度経営計画と連動させ、その遂行に邁進しています。

私たちにとって、人材は競争力、イノベーションの源泉です。そうした考えのもと人・組織づくりに取り組む過程で、ビジョン実現に向けた「KABEGOE」という考え方が生まれました。そして、2019年に発生した品質問題への徹底的な反省に端を発する企業文化改革プロジェクトでは、「KABEGOE」を「コンフォートゾーンから一歩踏み出し、挑戦し、壁を乗り越えること」と、私たち自身で定義づけました。

KABEGOEは新たな挑戦と価値創出を促す、私たちの競争力の源泉となりうる考え方ですので、協和キリングループの企業文化として浸透させる取り組みを続けています。実際、海外の従業員もよくKABEGOEについて語っています。そして、このユニークな考え方がKABEGOE Principlesを議論する際の土台となりました。

KABEGOEの考え方を伝える動画

Mullick 私たちの事業戦略を踏まえると、グローバルでリーダーシップを発揮できる人材の育成と確保、そして企業文化の醸成はさらに重要度が増していきます。私たちは人的資本を経営の重要な要素として位置づけ、本気で取り組んでいます。そのため、KABEGOE Principlesの策定には、トップマネジメント自らが、大きな熱量をもって関わりました。人・組織の観点での議論はともすると人事担当部門に任されがちですが、板垣さんのファシリテートのもとで、すべてのCxO※1の目線から、協和キリンが求める人材・チームの姿を真剣に議論し、具体的な形にまとめ上げました。

その過程においては「私たちの志」に何度も立ち返りました。「私たちの志」は、2008 年の協和発酵キリン(現「協和キリン」)設立の際、約1,000人の従業員が議論して作成し、私たちの経営理念から従業員の行動までを貫いています。KABEGOE Principlesの根底には「私たちの志」をはじめとする歴史やDNAが息づいており、「誰か」が作ったのではなく「私たち自身からできあがった」ものだと感じています。すべての項目が、私たちがビジョンを実現するうえで等しく大切なものであり、新入社員からCEOまで、協和キリンで働くすべての人が日々の行動や判断の指針としたい内容です。

  1. ※1CxO:「Chief x Officer」の略で、日本語では「最高〇〇責任者」。「x」には企業内の部門や役割の名称が入り、「x」に入る部門、役割における最高責任者を意味する。

11の「KABEGOE Principles」

11の「KABEGOE Principles」イメージ図

―KABEGOE Principlesの具体的な内容を教えてください。

板垣 KABEGOE Principlesは、私たち協和キリンのビジョンを実現し、さらにその先の成長も目指すために私たちがどのように協働し、変革し、共に成長していくかを示したものです。計11のPrincipleがあり、一人ひとりが体現し続けることで、私たちのKABEGOEカルチャーをつくっていきます。

―行動指針の具体例を教えてください

Mullick 全ての行動指針が重要ですね。ここでは「ビジョンを共有したスーパーチームになる」についてコメントします、私たちはこれまでも素晴らしいチームを作り上げてきましたが、目指す成果を実現するために、今後はさらにチーム力を強化させていく必要があります。共通の目標のもとに最大限の力を結集し、肩を並べて一丸となって進んでいきたいと考えています。

板垣 全ての行動指針を体現することが重要ですが、今回は「オーナーシップを持ってやりきる」についてお話しします。この指針には「Story for Vision 2030」の実行にあたって必要な、これからの時代のリーダー像の一つである「エンタープライズリーダー」の要素が詰まっています。自分の部門のためだけではなく、他の部門、そしてグループ全体のために行動する。チームワーク/和・輪の精神にのっとり、「これは自分の仕事ではない」とは決して言わない。そういうリーダーシップが必要とされていると思いますし、私自身もそれを発揮し、協和キリンで働く皆さんにも、ぜひそうなってほしいと思っています。

KABEGOE Principlesを通じて実現したい未来とは

―KABEGOE Principlesの実践を通じ、協和キリンをどんな企業にしていきたいですか?

板垣 変化の激しい経営環境にある中で、私たちがLife-changingな価値を届け続けるためにやるべきこと、あるべきチームや組織、そしてその実現方法の再考が求められている今、KABEGOE Principlesは拠り所になるものだと感じています。現場のリーダーが会社・組織のビジョンにつながる自らのビジョンを「Strategy」と「Team」の視点で描き、自律的に変化に対応し、自身と周囲の成長を加速できるように、マインドセットや環境整備を進めています。その一環としてグローバル共通のパフォーマンスマネジメントの仕組みには、世界中の従業員の目標設定や行動評価においてKABEGOE Principlesに立ち戻れる仕組みを実装しました。また、これから当社グループをグローバルにリードしていく人材の発掘や育成のプロセスにも、KABEGOE Principlesを組み込んでいます。こうした仕組みの継続的な運用、従業員との絶え間ないコミュニケーションを通じ、一人ひとりのKABEGOE Principlesの実践が企業競争力につながっていく状態を作りたいです。

Mullick 私は、「私たちの志」に大変感銘を受けた一人です。初めてそれを目にしたときのことは、今も覚えています。感動し、共鳴し、これを共有する素晴らしい仲間とともに「たった一度の、いのち」のために仕事ができることに本当にわくわくしました。

この流れを汲んだKABEGOE Principlesも、とても気に入っています。KABEGOE Principlesは、世界各地にある当社グループで働く私たち全員が等しく実践したいものです。すべてが、私たちがより成長するため、患者さんやそれに関わる全ての人々に価値を届け続けるために取るべき行動です。一つひとつを真剣に、全員が日々実践していくことこそが、私たちの目指すKABEGOEカルチャーを醸成していきます。そして、それが私たちの戦略ストーリーである「Story for Vision 2030」の力強い実行を可能とするチームづくりとビジョンの実現、すなわち「病気と向き合うすべての人々の笑顔」につながると信じています。

真の意味での「日本発のグローバル・スペシャリティファーマ」として価値創造・提供を続けていくために、トップマネジメントの一員として世界中の仲間たちにKABEGOE Principlesを語りかけ、彼らがそれを行動に移し続けられるよう背中を押し続けていきます。

画像:Tokyo Pride 2025での記念写真