People & Culture協和キリン、今年はキリングループとして参加「Tokyo Pride2025」

協和キリンは、2025年もアジア最大級のLGBTQ+イベント「Tokyo Pride 2025」に参加しました。初出展から3年目となります。当日の様子と、事務局やボランティアとして参加した従業員の声をお伝えします。

グループ企業3社で伝える、多様性への姿勢

3社のブース前の様子

2025年は、さらなる発展を目指すための新たな試みとして、キリングループから3社(キリンホールディングス、ファンケル、協和キリン)が合同で出展しました。目的は、大きく3つあります。ひとつは、すべての人に平等に生きる権利があることへの賛同の意を示すことです。もうひとつは、グループが共有する性の多様性を尊重する姿勢を伝えること。そして最後に会社の枠を超えた連携を強化し、3社全ての従業員の意識や風土の醸成を進めていくことです。

初の取り組みとして行うために、3か月前から週1回、3社の担当者が集まり定例会を開催し、事前の準備を進めてきました。

フォトスポット・展示・投票でつくる交流の場

ブースにはフォトスポット、取り組みの展示、簡易アンケートにデジタル投票ができるスペースを設置。来場者が気軽に入り、楽しめるように工夫しました。

画像:フォトスポットでの撮影の様子

フォトスポットでは来場者がフォトグッズを選んで立ち、フレーム内に顔をおさめたところで、ボランティアが来場者のスマホをお預かりしてシャッターを切りました。

画像:3社の展示パネル(左)とブース前の様子(右)

3社の展示パネルでは、各社の多様性に関する方針やアライの社内コミュニティの取り組みが伝えられました。

  1. アライ(ally):LGBTQ+当事者の理解者・支援者

デジタル投票は「キリングループの個性を生かした内容にしたい」という考えから、計約600名が所属するグループ会社内のアライコミュニティにLGBTQ+関連のおすすめ作品を募り、上位作品を選出。その中から、1日目は「読んでみたい小説・マンガ・エッセイ」、2日目は「見てみたい映画・ドラマ」について来場者に投票してもらい、その場で結果を確認できるようにしました。各日の1位はいずれも『きのう何食べた?』でした。この結果はイベント後にグループ内にも共有し、共感や理解を深めるきっかけとして活用しています。

画像:投票の様子(左)、ブースボランティアの集合写真(右)

ボランティアも、楽しみながら参加

画像:協和キリンの溝上哲哉(左)、ファンケルの須田智美さん(右)

今回の案内は、3社から集まったボランティアが務めました。ブースに来ていただくための声がけを担当した協和キリンの溝上哲哉は「今回を機に、自分自身のLGBTQ+への理解も深めたいと思い、参加を決めました。多くの人に笑顔で楽しんでもらえたら」と抱負を述べました。また、取り組みの説明などを担当したファンケルの須田智美さんは「このブースを通じて、たくさんの方に3社の取り組みを知っていただけたのがよかったなと思います」と語りました。

「Same Life, Same Rights」を胸にパレードに参加

LGBTQ+の権利と尊厳を求めるプライドパレードは、世界の主要都市で50年以上にわたり実施されています。Tokyo Pride 2025には15,000人が参加しました。Tokyo Pride 2025のテーマは「Same Life, Same Rights」。このテーマには「同じ命を持って生まれてきたわたしたちにはどんな属性であっても、平等に生きる権利がある」という思いが込められています。

パレードの様子

キリングループからは、72名が参加。代々木公園から渋谷駅と原宿駅の周辺を通り、戻ってくるルートを2時間ほどかけて歩きました。「自社の多様性への姿勢を学びたい」「日本のLGBTQ+の現状をもっと知りたい」という理由で参加した新入社員2人組、定年退職後に再雇用となり「今のうちに参加しておきたい」という思いで参加した方、赤ちゃんを含む3人の子どもを連れて参加した方……。多様な参加者は初対面ながらあっという間にうちとけ、共に沿道の方々に「ハッピープライド!」と声がけしながら進んでいきました。

パレードの様子

協和キリンからは、「大切な場なのでぜひ参加したい」というコメントと共にアブドゥル・マリック COOと板垣祥子CPOも参加。マリックCOOは、次のように語りました。「イベントに参加し、さまざまな国や背景を持つ方々が共に祝い、楽しむ姿を目にし、大変喜ばしく思いました。会場には温かさと活気があふれており、前向きなエネルギーをたくさんもらいました。当社はビジョンの中で『多様な個性が輝くチームの力』を掲げ、行動指針であるKABEGOE Principlesのひとつに『全ての声に居場所をつくる』を含めています。従業員一人ひとりが自分らしさを大切にし、互いの違いを称え、尊重し合える。そんな安心・安全な環境の中でこそ、組織はより強くなると私は考えています。そして、それがビジョンの実現、多くの人々の笑顔につながると信じています」

画像:パレード参加中の協和キリンのマリックCOO(真ん中・緑色のビブス)

板垣CPOは、次のように振り返りました。「個人として印象的だったのは、他の企業や団体の熱意と活発なコミュニケーションです。DE&Iというテーマへの関心の高さを強く感じ、皆で一緒に、より大きなムーブメントを起こせるのではという期待が湧いてきました。企業としては、キリングループとして社内外に私たちのDE&Iへの覚悟と本気度を示せたのが良かったと思います」

画像:パレード参加中の板垣CPO(右手前・黄色いビブス)

事務局の熱意が、一体感を醸成

今回のブースやパレードでは、誰がどの会社の所属か見分けがつかないほど、3社のボランティア同士が積極的に交流し協力し合っていました。その背景には、各社の事務局担当の存在があります。

協和キリンの事務局の中村万里子は、次のように話します。「3社共通のゴールを決めたうえで、業務を分担し、定例会で進捗報告をし合いました。担当者はみな、とても情熱的な方々で、たくさん引っ張っていただきました」。

画像:当日、ブースで最終確認を行う中村と協和キリンと共同で取り組む同社労働組合本社支部の支部長山本将司(左)、当日に向けた3社合同ミーティングでの協和キリン担当者(丸岡大輝、中村)の様子(右)

ファンケルのアライコミュニティの主要メンバーで、イベント参加は3回目となる五島由香さんは、パレード当日も積極的に参加者を先導。「3社の事務局担当者は、会社は違っても同じ思いを持っていたため、心を合わせて最後までやり遂げることができました。課題は従業員みんなが自分ごととして捉えきれていないところなので、来年はもっと多くの参加者を募りたい」と語ります。

画像:パレードでハイタッチをする五島さん(右手前)

前年にボランティアとして参加し「学びが多かった」ことから、今年は事務局に立候補したキリンホールディングスの方波見琉花さんは、「当日をとても楽しみにしていた反面、準備が大変な時もありました。そこは社内外の仲間と協力して乗り越えることができました。今後は社内でも今日の経験を共有し、来年以降、さらに社内を盛り上げる企画を検討したい」と明かしました。

画像:パネル展示を説明する方波見さん

全ての声に居場所をつくる

大盛況のうちに終わった2025年のTokyo Pride。協和キリンの中村は、「一体感を感じられて感動しました」と初めてパレードに参加した感想を語った後、決意を口にしました。「私たちの活動はこれで終わりではありません。この後、イベントに来られなかった従業員にも当社の取り組みやTokyo Prideのことを伝えるために、本社でも4日間の展示イベントを行います。今後も、LGBTQ+の従業員が1人で悩むことのないような環境づくりに努めていきたいです」。

画像:Tokyo Prideの2日後から本社で開催された展示イベント「Tokyo Pride本社ジャック」の様子

「Tokyo Pride本社ジャック」でも、展示に加えてフォトスポットを設営。多くの従業員が写真を撮り、社内SNSに投稿しました。さらに、こうした投稿が共感の輪を広げ、より多くの従業員が取り組みに関心を寄せるきっかけとなりました。

協和キリンは、今後も「全ての声に居場所をつくる」「仲間を思いやる」といった行動を大切にしながら、グループと会社と連携し、取り組みを重ねていきます。

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