ペイシェント患者さん・ご家族の声にふれて-日本のXLH Caféと米国患者会の年次大会参加レポート

協和キリンは、希少疾患であるX染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)※1への理解を広めるとともに、患者さんとそのご家族がよりよい生活を送るための情報発信や対話の場づくりに取り組んでいます。これまでの取り組みと、国際的な啓発デーであるInternational XLH Awareness Dayにあわせて、2025年秋に日本および米国で行われたイベントについてお伝えします。

  1. ※1X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH):線維芽細胞増殖因子23(FGF23)の過剰作用により、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症となることで、骨、筋肉、関節に異常をきたす希少な遺伝性疾患です。およそ20,000~60,000人にひとりがXLHとともに生きていると考えられています。

これまでの取り組み

協和キリンはこれまで、世界各地でXLHに関する取り組みを重ねてきました。日本では、2020年にXLHを含むFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に関する情報をまとめた総合サイト「くるこつ広場別ウィンドウで開きます」を公開しました。疾患の原因、症状、診断法などの基本情報から医療費助成制度や患者さんの体験談まで幅広く情報を提供しています。

日本での取り組み:全国各地でXLH Caféを開催

日本には、XLHの患者会がまだありません(2026年4月現在)。そのため、患者さんが他の患者さんと交流する機会の少なさが課題となっています。こうした声を受け、希少・難治性疾患に関わる関係者の連携を支援する中間組織、特定非営利活動法人ASridとの共催で、2022年から「XLH Café」と名付けた市民公開講座を行っています。

XLH Caféの初回はオンライン、2回目(2023年)と3回目(2024年)はオンラインとリアルのハイブリッド形式で開催。第2回の配信会場では、講演会の後に情報交換や講演者との質疑応答ができる茶話会を設け、XLHの患者さんから「同じ疾患の患者さんが集まっていることに心強さを感じました」といった声をいただきました。参加人数は初回の30家族から、2023年には45家族、2024年には60家族まで広がりました。

画像:これまでの歩み

2025年10月19日に開催したXLH Caféは規模をさらに拡大し、東京、大阪、名古屋、岡山、福岡に現地会場を設け、オンラインからもご参加いただきました。参加者、64家族(約100名)にのぼります。前半の2時間は、「患者さんの語り(Movie)」を上映に続き、「みんなに知ってほしいXLH」「向き合ってほしい治療や合併症」「意識してほしい歯のケア」の3つのテーマで専門医にご講演いただき、患者さんやご家族と幅広い知識を共有する場となりました。今回はXLHと共に生きる患者さんに初めて動画でメッセージをいただいたことで、同じ疾患を持つ仲間の存在を実感する機会となったという声を参加者からいただきました。講演の後は、オンラインを含むすべての場で1時間の茶話会(ASrid主催)を実施。つながり作りの場となりました。

米国での取り組み:The XLH Networkの年次大会に参加

画像:The XLH Networkの年次大会にて、XLH患者団体のリーダーと協和キリン参加者の集合写真

米国では、2025年10月にXLHの患者団体であるThe XLH Networkの年次大会がラスベガスで開かれました。この年次大会に協和キリンは3年連続で協賛しており、XLHの啓発活動やコミュニティの交流の機会を支援する姿勢をあらためて示す機会となっています。大会には、患者さんとそのご家族をはじめ、ケアを担う方や医療従事者、協和キリンの従業員など、さまざまな立場の参加者が集いました。100名を超える参加者のうち80名は初参加で、そのうち2家族は他のXLH患者さんと出会うことが初めてだったといいます。

基調講演に登壇したNeena Nizarさんは、骨の希少疾患の当事者です。Nizarさんは自身と同じ疾患の影響を受ける人々とその家族を支援するとともに、新たな治療法の研究を推進することを目指し財団を立ち上げました。Nizarさんは、希少疾患と向き合う上で、自分の希望や権利を理解して表明し必要な支援を求める「セルフアドボカシー」の力が大切であると、自身の経験を踏まえて会場に語りかけました。さらに、以下のような多様なテーマでセッションが開かれました。

  • 希少疾患の子どもがいる家庭の保護者支援と育児
  • メンタルヘルスや心の健康
  • XLHの方向けの口腔ケア
  • 小児医療から成人医療への移行期のあり方
画像:XLHガイドブックのために寄せられた意見

協和キリンはブースを設けて年次大会の参加者と交流し、これまでと現在進行中の取り組みを含めた活動紹介をするとともに、制作中の患者さん向けガイドブックについて参加者から意見を集めました。また、XLHコミュニティの人々からの声を直接聞くためのビデオインタビューを実施しました。協和キリンがThe XLH Networkと共に実施したXLHコミュニティ・インパクト調査の結果も展示しました。これらの交流は多くの学びをもたらし、XLHコミュニティと継続して協働していくことの重要性を改めて認識する機会となりました。

画像:ビデオインタビューの様子

日本から訪れた協和キリンCEOのAbdul Mullickは「XLHコミュニティの力強さとその精神に直接触れることで、皆さんの声を聴き、学び、そして心からつながることができました。皆さんの笑顔に触れ、一人ひとりのストーリーを伺って、私たちの活動がもたらす意味を改めて実感しました。すべての臨床データの背後には、“人”がいて、それぞれの人生・暮らしがあります。XLHコミュニティの皆さんの勇気に励まされながら、希少疾患とともに生きる方々のケアをさらに前進させ、より多くの笑顔を届けていきたいと強く思っています」と述べました。

患者さんの声に耳を傾け、共に歩んでいく

日本、米国で行われたXLHの患者さんを支援する取り組みは、患者さんとそのご家族はもちろん、医療関係者や協和キリンの従業員にとっても、結束を深め「一緒に活動を進めたい」という気持ちを高め合う機会になりました。日本の協和キリンのペイシェントアドボカシー担当の中山知子は「XLH Caféは、病気と向き合う患者さんとご家族、支援者、医療従事者(医師・看護師等)、製薬企業が企画段階から共創して開催しているイベントです。XLH Caféをきっかけに患者さん同士のつながりが生まれ、それぞれにとっての新たな価値や希望につながることを目標に継続していきます」と語りました。

協和キリンの米国でのペイシェントアドボカシーを担当するLiz Butcherは、「私たちの活動の中心には常に、XLHの患者さんたちとのパートナーシップがあります。患者さんのコミュニティの団結を目にしたり、協働の取り組みを通じた協和キリンの貢献を実感したりするたびに、大きなやりがいを感じています」と、笑顔で話しました。

協和キリンは、これからもXLHをはじめとする希少疾患の患者さんの声に耳を傾け、共に歩んでいきます。